最近の患者さんをみていても、血圧が200ぐらいあっても自分自身全く気がついていなく、さらに健康診断すら受けたことがないという上海人によく出会います。
日本で盛んに言われているメタボリックシンドロームですが、中国に関して言えば、その予備軍がここ20年間で急速に増えています。
よく中国人はお茶を飲むから太らないとか平気で言っている人がいますが、実際問題その程度の努力では効果は期待できず、急速に発展する外食産業と、食の欧米化、ドロドロの油が拍車をかけて、とんでもない数字になりつつあります。
有名な話ですが、ここ20年間で上海人の脂肪摂取量は2倍になっており、一方でビタミンCの摂取量が30%も減少していることが分かっています。明らかに野菜類の摂取不足です。
また最近の調査でも、18歳以上の肥満と体重過剰の人の割合は3.8%と29.2%となっており、全国平均の2.9%と18.9%を大幅に超えています。ここからも上海人の体重が年々重くなってきていることが分かります。
一方、15歳以上で高血圧の人も30.37%で全国平均の17.6%の倍近くの数。私自身も、どう考えても中華料理での塩分の摂取しすぎが気に掛かっています。中華料理の食べ方そのものを改善しなくてはなりません。
この現象は大人だけではありません。上海市の場合、7歳〜17歳の間でも体重過剰が16%、肥満が12.5%となっており、中国の平均である体重過剰8.5%、肥満4.4%を大きく超えています。
この肥満の問題は、妊婦さんからも分かります。出産に対して、多くの親は盲目的に栄養を摂取していて、どう見ても栄養過剰の状態となっており、明らかに体重過剰である妊婦さんが上海で非常に多い。その結果、4キロを超えるような新生児が上海で増えているのです。
というわけで、私も含めて、中国で生活なさっている日本人の皆さん、多くの中国人と同じように食べていると、メタボリックシンドロームになる可能性が非常に高いということを意識しながら、日々注意して生活する必要がありそうです。
中国では、農薬などの問題も怖いですが、それよりも食の栄養バランスの問題の方が、もっと命を縮めそうです。野菜中心のバランスのよい生活を心がけたいものです。
2007年09月20日
肥満と高血圧が急増している上海人
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類