中国で最も経済的に発展しているこの上海でも、結構古い習慣が残っているものです。特に、人間がコントロールできない分野で、そういった風習を見ることができます。
その代表が、妊娠ではないでしょうか。
最近、私の周りでも妊娠したという中国人の話をよく聞くようになり、その話を聞いているとすごく興味深い。
人によっては、妊娠したら歯を磨かないという妊婦さんもいました。
上海市衛生局が行った調査でも、調査した200人の妊婦のうち、3割の妊婦で未だに歯を磨かないらしい。妊娠すると、歯から出血しやすいので、歯を磨かないというにが理由らしいですが、そのために妊娠中に歯を痛めてしまう人が少なくなく、あべこべに治療に苦労するようです。妊娠してしまうと、むし歯や歯周病の治療をすることは薬の問題も含めて、やっかなことがありますから。
さらに、出産後1ヶ月は洗髪しないという話もよく聞きます。
出産後1ヶ月は家事も何もせず、家で静養しているという習慣は、実は日本でも江戸時代にあったようですが、今ではあまり重視しなくなりました。そんななかで、1ヶ月洗髪しないというのは、やっぱり衛生的に問題ありますよね。
今年、上海では空前の出産ブームで、どこの産婦人科もすごい人というのは有名な話です。
これは、ローカル病院での話ですが、産婦人科の分娩室もあらかじめ予約しておかないといけないところもあるらしい。出産予定日から計算して、大体の日を押さえておくのだそうです。
定期の検診には朝早くから行列をつくらないと、診察してもらえないという話も聞きました。さらに、有名教授が出るVIP?用の特需外来で見てもらおうなら、数百元の診察料も準備しなくてはならない。
いざ出産となって1日1000元以上するVIPの個室に入ろうと思うのなら、人気殺到でこちらも予約待ち。
私のある友達は、2人部屋を買い取って1人部屋にして出産したそうです。(おいおい、そういうことをするから、部屋不足になるんだぞ!)
本当に、この世界では、お金がモノをいうのですね。
市民はお金を出していいサービスを受けたいという願望は強い。だけど、産婦人科も含めて、インフラの整備がまだまだ追いついていない。
私の知っているある中国人留学生夫婦は、日本で出産することを決めたようです。日本のほうが設備がいいし、もちろん医療サービスもしっかりしているということで。
考えてみれば、中国の地方出身の人なら、公的医療保険が無いことも多く、逆に日本の健康保険を使って日本で治療してもらった方が、安くつくかもしれませんね。中国の医療費、物価が安いとはいえ、実は結構高くつくのです。
2007年10月05日
歯を磨かない、洗髪しない妊婦さん
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類
今朝、アイさんの旦那さんが亡くなる
このブログにも度々登場したうちのアイさんの旦那さんが亡くなりました。
私が毎日お世話になっている新聞屋さんから話を聞きました。
旦那さんの様態が悪化してから、アイさんはうちの家には来なくなり、なにか変だなとは思っていたのですが、結局、浦東の借家で最後を迎えたようです。
肺癌が宣告され、上海の地元病院で大きな肺切除手術を受けました。私はこの手術には大反対でした。
手術前は、我が家にもレントゲン写真をもって来ることができたのですが、手術以降様態はずっと思わしくなく、加えて抗癌剤による治療も行われ、体調はかなりよくなかったようです。
そのうち、胸水が貯まるようになり、水を抜くために病院に通う日々が続きました。一時、近くの教会にいって、多くの友人たちに支えられ、信仰ということを知ったようですが、その後体は衰える一方でした。
アイさん一家には、手術のために膨大な借金が残っているはずです。私のところの仕事を辞めたのも、全日で働ける家政婦の仕事を探したかったのですが、結局のところ難しかったようです。
医者の判断、いや医者の「マニュアル」では、手術が必要な症例だったのかもしれません。もしくは、病院が手術費や治療費を稼ぐために治療をしたのかもしれません。
いかなる理由があるにせよ、家族に残した負担は大きいものです。
多くの医師は、治療の最終判断を患者に任せます。医者自身を守るためにも、そのすることは仕方が無いかもしれません。
しかし、こうした田舎からきた患者に、医学的知識もなく、いったい何がわかるというのでしょうか?
そのためには、医者は個々の患者に対して適切なアドバイスをしなくてはなりません。そうしたアドバイスは実は医学の教科書には書いていないのです。
発展途上国で医療をする難しさを改めて感じさせられました。
私が毎日お世話になっている新聞屋さんから話を聞きました。
旦那さんの様態が悪化してから、アイさんはうちの家には来なくなり、なにか変だなとは思っていたのですが、結局、浦東の借家で最後を迎えたようです。
肺癌が宣告され、上海の地元病院で大きな肺切除手術を受けました。私はこの手術には大反対でした。
手術前は、我が家にもレントゲン写真をもって来ることができたのですが、手術以降様態はずっと思わしくなく、加えて抗癌剤による治療も行われ、体調はかなりよくなかったようです。
そのうち、胸水が貯まるようになり、水を抜くために病院に通う日々が続きました。一時、近くの教会にいって、多くの友人たちに支えられ、信仰ということを知ったようですが、その後体は衰える一方でした。
アイさん一家には、手術のために膨大な借金が残っているはずです。私のところの仕事を辞めたのも、全日で働ける家政婦の仕事を探したかったのですが、結局のところ難しかったようです。
医者の判断、いや医者の「マニュアル」では、手術が必要な症例だったのかもしれません。もしくは、病院が手術費や治療費を稼ぐために治療をしたのかもしれません。
いかなる理由があるにせよ、家族に残した負担は大きいものです。
多くの医師は、治療の最終判断を患者に任せます。医者自身を守るためにも、そのすることは仕方が無いかもしれません。
しかし、こうした田舎からきた患者に、医学的知識もなく、いったい何がわかるというのでしょうか?
そのためには、医者は個々の患者に対して適切なアドバイスをしなくてはなりません。そうしたアドバイスは実は医学の教科書には書いていないのです。
発展途上国で医療をする難しさを改めて感じさせられました。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類