2007年11月25日

日本でも入院保証金制度

 日本でも、厚生労働省が入院時に患者に入院保証金を支払ってもらう制度を病院の経営状況に応じて認めるというニュースがありました。最近、日本で急増している入院医療費不払い対策に対する動きです。

 中国では、かなり前からこの制度を行っています。一般に、1回入院する時に患者がデポジットしなければならない保証金の額は5000元〜6000元ほどで、上海人からすれば大した額ではなくても、地方から来た人からすればかなりの負担になります。もし、患者が保証金を支払えない場合は、医師が代わりに負担してあげることもあります。

 医療費の未払いを防ぐために、中国では検査から診察、薬まですべて先払いです。診察を受けるときは、まずお金を払ってから、診察室に入る。
 確かに、救急の時に、人命が先か、お金が先か、という問題に直面しますが、救急の時も、場合によってはお金が先ということもあり、こちらは社会問題にもなっています。

 ただ、格差の非常に激しい中国では、人道的には問題があっても、社会的には人命に対する金銭的価値に大きな区別があることも確かです。 だからこそ、人々は貯蓄や財テクに熱心になるのです。不透明な時代に信じることができるのは、結局自分しかない。

 

 こうした日本の福祉の状態を見ると、日本の社会が確実に格差社会に突入し、それが国の力を弱めていることを実感します。

 そのうち、旅館やホテルも中国のようにがっぷりとデポジットをとるようになるかもしれません。人と人との信用が揺らぎつつあるのを、私は非常に悲しく思います。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2007年11月24日

任務完了

 今日の晩餐会をもって今回の交流&研修会は終了しました。

 まさに、中医学漬けの戦争のような3日間でした。

 通訳は反射神経。いかに瞬時に的確な言葉を思い浮かべるか?もっと訓練が必要だと感じました。でも、大脳を一杯活性させてとても有意義な時間を過ごせました。

 今晩は、上海中医薬大学付属曙光病院の蒋病院長ほか、伝統中医診療中心の余教授など日頃めったにお目にかかれない専門家と様々なお話ができて非常によかったです。余先生は、私が学部生時代のころ、尊敬した呼吸器科の名医の弟子でもあり、そのとき以来の再会でした。不思議なご縁です。

 今回の出会いが、また将来私の人生に何らかの大きな影響を与える予感がして参りました。人との出会いは不思議です。

 そして、中医学を愛する日本の医師たちの情熱に私も負けてられない、とエネルギーがみなぎってきました。

 今回の日本からの先生方は、外科、精神科、内科などさまざまです。薬剤師の先生もおられました。皆様それぞれの立場から、中医学に全力を集中させておられます。いずれも、九州・四国・関西・関東と日本各地で中医学の臨床を実践されておられます。

 本当に感動しました。

 そして、中医学の素晴らしいところは、年齢を積むほど経験が重なり、医師自身を成長させていきます。うちの師匠のように、70歳を超えても、現役バリバリで、頭もますます冴えています。

  そんな師匠を目標に、私もがんばって行きたいと思っています。
 
  一生勉強できる学問は本当に素晴らしいです。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2007年11月23日

中医学理論で盛り上がれる会食

 こうして、日中の中医学の専門家が集ることのできる会食など、最近は滅多にありません。20年ぐらい前はよくあった日中の交流も、最近下火になってきています。

 新天地の薬膳料理の店「百草伝奇」で上海中医薬大学の教授で、私の恩師の一人でもある張再良先生も交えて、非常に有意義な会食になりました。日本から参加したメンバーも、中医学の世界では名の通った先生方ばかりです。

 日中で国が違っても、中医学の基礎は変わりません。そういう共通の基盤があることは、本当に励みになります。

 でも、私より若い日本の医師たちが続々と中医学の世界に足を入れだしています。これは最近のちょっとした変化です。今回、そんな先生方も交流できたことは、中医学をやっているものからすると、非常に嬉しい。

 私も、さらなる上を目指してがんばらないと。

 

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