家電にガタ来るとき

　当直明けで自宅で休憩している妻から電話。

　ついに洗濯機が故障したらしい。今使っている日系メーカーの洗濯機は、使い始めてかれこれ10年ほど。一応動くのですが、途中で洗濯が止まったり、水位の変更ができなくなったり、暴走することが最近増えてきました。
　まさか動かなくなるとは。焦げ臭いにおいがするということで、おそらく買い換えでしょう。

　さらに、先週末はドイツメーカーの電子レンジは、今度は猛烈な騒音を出し始めました。とても耳障りな音で、モノを温める時は台所から避難中。これも買い換えでしょう。

　しかし、つぶれるときにはなぜかこう一気にやってきます。

　ああ、もうすぐ年末だというのに出費がかさむ。でも、中国にいる年数がそれだけ長くなったということですね。

　ちなみに、いま我が家で最も長く活躍している家電は、電気炊飯器。私が中国に留学来る前、私の先輩が卒業するときに200元で買い取った代物。その当時、日系メーカーの炊飯器といえば、かなり貴重なもので、かれこれ15年ほど使っています。いまでも元気です。さすがシャープです。

　明日、洗濯機と電子レンジを買いに行きます。

脈で胎児の性別判断ができるか？

　中医学をやっていると、かならず聞かれるのが、妊娠している女性の脈をみて、男女の性別判断ができるか？という問題です。

　結論からいうと、性別判断は無理というのが現在の中医学の専門家の大方の意見です。私も、中国で様々な学術論文を見ていますが、脈で男女を鑑別できたという論文は見たことありません。

　ただ、経験上、妊娠しているかしていないかはある程度脈で分かるように思います。女性の体は、妊娠すると生理的にも大きな変化が現れます。そういったことが脈に反映されてもおかしくはないのですが、男女に関してはなかなか分からない。

　実はこれにエピソードがあって、中国科学部の副部長がある中医学関係の国際学会で、「中医学は脈で性別判断ができて、これは系統生物学の応用と実践の例である」と発言したことが物議を醸していて、脈と性別判断の問題が中医学の世界で話題になっているのです。

　この発言をニセ科学だと酷評する人もいますが、私はむしろ中医学が中国の一種の文化であるという点を言いたかったのでは？と理解しています。

　脈というのは、中医学のなかでも最も経験を要する診断方法の一つで、それがゆえになにか秘密のベールに隠されているようなイメージがありますが、実際多くのベテラン中医師の診察を拝見して、最近の科学技術の進歩も関係してか、以前ほど脈が重視されていないことが分かります。

　ましてや、脈だけで患者の疾患のすべてを当てるなどは、ちょっと医療の現実からはかけ離れた診察方法でして、やはり中医学では「四診」と呼ばれる重要な診察方法をすべて駆使しなくてはならないのです。

　一方で、衰退が激しい中医学の診断手段として、「脈」が挙げられるかと思います。エコーやＸ線の進歩で、体の中身を観察するということが比較的容易になってきた現在、脈診のあり方が問われていますが、私は伝統医学をする以上、脈診は切り離せない問題だと思います。