2007年11月27日

地下鉄で9元の罰金を受ける

 今朝もいつものように地下鉄1号線にのって出勤しました。

 最寄り駅の一つである衡山路に到着しました。

 階段を駆け上がり、いつものように交通カードをかざして、改札口を出ました。

 このとき、カードの残額があまりなかったので、カウンターでチャージしようとしました。ところが、チャージできないと係員に言われます。

 原因を聞くと、乗車記録はあるが、下車記録がないとか。う〜ん、どちらも改札口を通ってきたのに変だ。

 さらに、「下車記録がない場合は一律9元の罰金」だそうで、こりゃたまったものだ。

 ご存じの通り、上海の自動改札口は、バールが回る方式のもの。

 すなわち、人が一人通れば、バーが一つ上に回転します。ところが、前の人が出るときに、バーがしっかりと回りきらず、中途半端な状態でした。

 その後に来たのが不運な私でして、カードをかざしたものの、結局回りきらなかった前の人のカードで出たことになります。その結果、カードは機械に読み込まれず、私の下車記録が記録されませんでした。

 問題はこの責任が誰にあるのかです。どう見ても機械の構造に問題があるわけですが、中国人はそうは考えません。

 9元の罰金に対して頭に来た私は、奥の駅長室へクレームをつけにいきました。なにも故意に無賃乗車をしたわけではないのに、9元の罰金というのは癪に障ります。

 すると駅長さんの答えはこうです。

「これはあなたの不注意です。9元は自動改札機の使い方を学習したということで支払って当然です。」とまあ、耳を疑うような答えが返ってきました。

 もともと、こういうケースは最低料金の3元の罰金で済みました。ところが、今年11月から罰金は最高運賃区間の9元に一律統一されました。

 まあ、この理由はわからないわけでもないが、中国的思考法には10年以上上海にいる私もとまどいます。

 教訓:地下鉄の改札口を出るときは、前の人がしっかりと出てからゲートをくぐるように。

posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

中医学的秘密主義

 中医学の中心として発展してきたはずの中国の中医学なのだが、最近ちょっと様子がおかしいようにも感じます。その一つが、タイトルにもあるような「中医学的秘密主義」です。

 もともと、中医学は個人の症状にあわせて生薬を処方するわけですから、処方などを単にコピーしても、とても他人に使えるわけではないのですが、最近、病院などを視察すると、秘密を押し通すところが増えているように思います。

 医学をしているわけだから、もしそんな素晴らしい方法があるのなら、広く共有して患者の治療に役立てるのが筋。

 しかし、中医学が世界から注目されればされるほど、出し惜しみする中国の医院が増えています。出し惜しみをすると、外部者は余計へんな好奇心を持ってしまうので、私は逆効果だと思うのですが。

 

 西洋医学とちがって、そのあたりはかなり微妙だと思うのです。中医学の治療法は、認知されるまでに時間がかかるし、新薬の特許のように知的財産権が守られるというわけでもない。だけど、何十年、何百年と使われてきたものだったら、むしろ公にして医療の世界で共有するべきだと思うのですが、なかなか進まない。

 ましてや、その中医学を研究する外国人が見に来たとなると、妙な警戒心をもってくることも最近よく感じます。我々はあくまでも茅の外なのです。

 秘密を押し通して、一部だけが暴利を得ようとする態度。それが、中医学の国際化や中医学の普及に今や大きな障害となっているのです。

 でも、中医学の理論は、本当はそんな薄っぺらい物ではありません。それが分からない人ほど、実は大した学術レベルを持っていないことが多いように思います。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類