2007年12月18日

私の地下鉄2号線ラッシュ対策

 私は、上海の地下鉄でのラッシュがイヤで、ラッシュ時間帯に地下鉄を利用しないといけないときは、いろいろ対策を講じています。

 帰宅時のラッシュは、一般的に分散傾向にあるようで、朝ほどひどくないのですが、問題は朝のラッシュ。上海科技館に列車が入ってきた時に、もう満杯で乗るのが大変なこともしばしば。

 上海のラッシュで困るのは、時々車内での秩序が乱れてしまう点です。みんな時間がなくて殺気立っているのか、とにかく殺伐としています。確かに、東京の通勤ラッシュと比べたらマシなのですが、でも地下鉄のラッシュというものがここ数年で顕著化してしまった上海では、まだ暗黙の了解というモノが形成されていません。だから、私は一抹の恐怖感を感じます。

 というわけで、究極のラッシュ対策。

 早く出勤するということです。7:30ぐらいまでに地下鉄に乗れば、うまくすると席が空いていることもあります。
 
 ところが、8:00ごろになるともう大変。地獄の通勤ラッシュです。

 上海の人の移動はそれぐらい極端な差があるのです。

 で、早く目的地に到着して、時には喫茶店に直行することもありますが、これでかなりラッシュを回避できて、結構いろいろな仕事を片付けることができます。

 早起きはやっぱり三文の徳です。

 

posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2007年12月17日

暖房使っていますか?

 上海はこのところ雨ばかり。洗濯物ができずに困っております。

 上海の12月といえば、一般的に天気がいいはずなのですが、今年はなぜか雨が多い。これも地球温暖化のサインなのでしょうか。

 気温もすっかり寒くなりましたが、我が家はこの冬まだ暖房を使っていません。パソコンを打つと手が冷えるので、原稿書き用の電気式の湯たんぽは使っていますが、まだ暖房器具はクローゼットに入ったまま。

 上海も寒いことは寒いのですが、まだ奈良の実家のように底冷えがするような寒さではありません。さあ、どこまで我慢できるか、がんばりたいと思います。地球温暖化対策に少しは貢献できているかなと思っています。

 私も妻も逆に暖房の暑さが苦手で、むしろ寒い部屋で厚着している方が心地がいいのです。執筆の効率もよい。だから、中国の農家に宿泊してもやっていけるのでしょう。

 ところで、あまりにも航空券が安かったので、今年の正月は十数年ぶりに日本で過ごすことにしました。たまには日本の新年も過ごさないと。
 上海と関空往復で750元也。
 いや〜助かる、助かる。

時には山査子(サンザシ)の酸っぱさが欲しくなる 安徽省鳳陽県にて
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

パワフル、民工!

  鳳陽県にいったとき、県長さんや党書記の方に、すでに日系企業の進出が始まっているという話を聞きました。鳳陽県は、豊かな自然のほかに、硅石も産出するため、ガラス関係の企業がすでに2社操業を開始しているようです。

 田舎といっても、豊かな平原があり、まさにイメージ的には北海道のような感じです。ただ、集落部分の建設が追いついておらず、ホコリと泥ですぐにドロドロになります。さらに、幹線道路はトラックが多く、交通はどこも大混乱していました。

 鳳陽県は、山ばかりの貴州省などと比較しても、さらに南京など大都市に近い(200キロ弱)という点でも、何かとメリットがあります。そして、農村改革を成功させた小崗村もすぐ近くですし、出稼ぎ労働者(民工)たちを毎年大量に送り出しいる蚌埠はすぐ隣です。そして、上海から高速道路で一直線5時間で着けるというアクセスなのに、街は非常に貧しい。

 

 この貧しさは、私が甘粛省の農村を訪れたときの風景に匹敵するレベルです。
 江西省の農村とはとても比較できない。江西省の村は貧しいなりにも、古建築の文化がありました。しかし、鳳陽県にはそういうものが少なく、非常に寂しく感じられました。

 多くの男性は出稼ぎにいっていて、街には女性や子供、老人が溢れている様子は、他の中国の田舎と変わりません。
 
 彼らが貧しい原因はいろいろあるかと思われますが、出稼ぎにいって稼いでも立派な家が少ないところからも、やはりなにか根本的な問題があるのかと思います。江西省・浙江省なら、出稼ぎで成功した人の豪邸が農村でもあちこちで見られますから。

 広大な農地があるのに、生産性があがらない。でも、だからこそ改善すればその変化は劇的なものになる可能性が高く、ベジタベの工藤さんがここでやってみたいと思われるのも、私は非常に納得しました。

 ポイントは、やはり現地政府がどの程度まで真剣に取り組もうとしているか、というところでしょう。政府にしてみれば、企業の力を借りてお金も稼ぎたい。商売と社会的意義の板挟みになっているのかもしれません。結局、かれら地方の役人たちをどれだけ本気にやる気にさせることができるか、という点でしょう。

 ちなみに、中央政府の補助はでているものの、残念ながらその大部分はまだ道路などのインフラ建設に投入されています。だから、今この時期に、農民たちの暮らしをいかに「和諧」レベルにまで持って行けるか?というのはかなり挑戦的なことかもしれません。

 私も、滞在中いくつかの農家にお邪魔しました。どの人も、純朴で話し好き、ちょっとお宅をお邪魔したら、「坐っていき」と誘われます。そういうのどかな農村なのです。方言が比較的普通語に近い点も嬉しい。

 ある一家では、4ヶ月の赤子を家において、両親は街へ出稼ぎに行き、おじいさん、おばあさんだけが家に残って子供の世話をしていました。
 おばあちゃんは、自宅の居間・土間・玄関・ダイニング兼用のスペースで、この寒空の下、洗濯板でしかも冷水で洗濯していました。

 よく、上海にきた人たちが、地下鉄などに乗ってくる出稼ぎ労働者たち、いわゆる民工を差別したり、ののしったりする人を見かけます。最近では、日本人に限らず、外国人も上海に急増して、そういった民工たちをバカにするような様子をみて、私は非常にいたたまれません。

 上海や北京、広州など都市部しか知らない日本人が増えているのも困ったものです。中国は、我々が考えているほど単純なところではありません。言動には本当に十分慎みたいものです。

 こうして農村をまわるにつれて、中国における民工の重要性とその意義がひしひし感じられます。

 忘れてはならないのは、中国は民工たちで支えられているということです。

 彼ら民工たちは、食糧やエネルギーがさらに高騰しても、いつものように果敢に生きていくことでしょう。残念ながら、今の上海人にはそのバイタリティーはありません。

 上海など都市部の生活はまさに砂の楼閣に過ぎず、非常に脆いモノなのだということを、この鳳陽県での訪問で感じました。

 地に足がついて生活している民工たちは、本当にすごいです。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類