生薬の話を日本人の患者さんにすると、多くの方は副作用が「ない」とか、「安全」とかいわれて、すっかり安心なされる方が多いのですが、実際には100%安全な薬は存在するわけではなく、食品でも食べ過ぎると病気になるわけですから、過信しては絶対にいけません。中医薬は、西洋医学の薬と比較すると「相対的に」安全だということです。
断っておきますが、中医学を研究している我々が言うのですから、決して「営業妨害」しているわけではありません。
上海人の患者さんの中にも、生薬の服用しすぎで体を壊してしまったり、中には肝機能や腎機能をやられてしまった人を見かけます。その中で、とくに中国でよく見かけるのが無許可・非合法「ダイエット薬」を盲目的に服用してしまって腎機能をやられてしまった患者さんです。
一時期多かったのが、Aristolochic Acid(アリストロキア酸)と呼ばれる成分が含まれる生薬を長期にわたって服用したケースで、錠剤のものでもかつては中国にも存在していました。今は、副作用の報告があり、正規の医薬品ならまず大丈夫のはずですが、アリストロキア酸が含まれるものとして、広防己や関木通などの生薬がその代表です。
中医学の教科書の中にも、木通という生薬は確かにあるのですが、同じ木通でも関木通・川木通・白木通など様々な別名があります。実はこの3つの植物、姿形がよく似ているのに、品種が全く違うのです。しかし、生薬の枯渇問題や価格の問題などで、一時中国では木通を関木通で代用していた時期がありました。その結果、思わぬ副作用の報告が出てきたのです。
生薬だから副作用がなく、長期に服用しても大丈夫という考え方はよくなく、からなず専門家と相談して、正しく服用することが大切です。
もちろん誤解があってはいけないのは、生薬も正しく服用すれば、有益であることは間違いなく、患者さんサイドでも正しい知識を持っていることが前提です。
そして、生薬や中医学、漢方がなにも神秘的な治療法というわけではなく、医学の一つの理論として成り立っていることを認識し、疑問点があれば医師にしっかりと尋ねることです。
2008年01月25日
生薬=100%安全ではない
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類
背の曲がったお年寄りが少ないような気がする
病院には地元上海の高齢者がたくさんやってくるのですが、最近ふと思ったのは、杖をついて背中が曲がったお年寄りが上海には少ないように思います。
医学的に統計をとったわけではないので、なんとも言えませんが、私の感覚からすると、病院にやってくる高齢者は背をピンと伸ばして歩いています。
無錫の田舎にいったときも、近所のおばあちゃんはみんな70歳以上なのに、背中はぴんとしていました。妻の祖母も85歳ですが、姿勢はピンとしてシャキシャキあるきます。
そういえば、上海の小姐に限らず、中国人全体に姿勢がよいと思いませんか?
これは、机と椅子で生活する生活習慣が影響しているのでしょうか?それとも食生活?あまりお辞儀をしない文化?
逆に、日本に戻ると、地下鉄でもスーパーでも背中の曲がった高齢者をよく見かけます。
この違いにちょっと関心があります。
ちなみに、上海人女性の平均余命はすでに82歳を突破しました。
医学的に統計をとったわけではないので、なんとも言えませんが、私の感覚からすると、病院にやってくる高齢者は背をピンと伸ばして歩いています。
無錫の田舎にいったときも、近所のおばあちゃんはみんな70歳以上なのに、背中はぴんとしていました。妻の祖母も85歳ですが、姿勢はピンとしてシャキシャキあるきます。
そういえば、上海の小姐に限らず、中国人全体に姿勢がよいと思いませんか?
これは、机と椅子で生活する生活習慣が影響しているのでしょうか?それとも食生活?あまりお辞儀をしない文化?
逆に、日本に戻ると、地下鉄でもスーパーでも背中の曲がった高齢者をよく見かけます。
この違いにちょっと関心があります。
ちなみに、上海人女性の平均余命はすでに82歳を突破しました。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類
2008年01月24日
上海の水をうまいと感じてしまう悲しさ
日本と違って、中国ではいくら田舎に行っても素晴らしい環境と水・空気に必ず出会えるというわけではありません。貴州省や四川省の山奥にいっても、いかにも汚染物質を出しているような工場に遭遇することは度々あるし、今回のように安徽省の貧しい農村にいっても、それが即すばらしい自然環境につながるというようなことはまず期待できません。
中国の場合、農村へいけばいくほど、場合によってはゴミ問題が大変だったり、生活排水の問題で河川がすっかり汚濁されていたり、急速な消費生活が環境を破壊していて、自然がダメになってしまったケースが非常に多いのです。当然、田舎へ行くほど、政府の声も届きにくくなるのです。
例えば、水でもそうです。今回の開校式で宿泊したホテルでも、水がまずい。水道水には強烈な味があり、シャワー以外使う気にはなりませんでした。
上海のような1級都市ならともかく、中国の3級都市以下の都市となると、この傾向は顕著で、逆に上海の水が懐かしくなるぐらいなのです。
無錫の親戚の家でも、今でも生活用水は庭にほった井戸が使われていました。以前は大丈夫でも、いまや付近に中小の工場がどんどん進出してきて、昔のように井戸水を使うことは、私は躊躇しました。
水の豊かな日本に住んでいる我々からすれば考えられないことかもしれません。中国のようにこれだけ広大な土地があっても、使える水は極端に不足しているのです。
常識で考えても、各省の汚染物質が流れ着き、さらに長江や黄浦江の下流に位置する上海が、良質な水を獲得するのにどれだけ苦労しているか想像に難くないです。
いま、中国でも食糧の値上がりが大きな社会問題になっていますが、それが今度は水に波及するのは時間の問題ではないかと私は思います。
石油値上がりよりももっと深刻な水の問題。これからの私たちはどうなるのでしょうか?
中国の場合、農村へいけばいくほど、場合によってはゴミ問題が大変だったり、生活排水の問題で河川がすっかり汚濁されていたり、急速な消費生活が環境を破壊していて、自然がダメになってしまったケースが非常に多いのです。当然、田舎へ行くほど、政府の声も届きにくくなるのです。
例えば、水でもそうです。今回の開校式で宿泊したホテルでも、水がまずい。水道水には強烈な味があり、シャワー以外使う気にはなりませんでした。
上海のような1級都市ならともかく、中国の3級都市以下の都市となると、この傾向は顕著で、逆に上海の水が懐かしくなるぐらいなのです。
無錫の親戚の家でも、今でも生活用水は庭にほった井戸が使われていました。以前は大丈夫でも、いまや付近に中小の工場がどんどん進出してきて、昔のように井戸水を使うことは、私は躊躇しました。
水の豊かな日本に住んでいる我々からすれば考えられないことかもしれません。中国のようにこれだけ広大な土地があっても、使える水は極端に不足しているのです。
常識で考えても、各省の汚染物質が流れ着き、さらに長江や黄浦江の下流に位置する上海が、良質な水を獲得するのにどれだけ苦労しているか想像に難くないです。
いま、中国でも食糧の値上がりが大きな社会問題になっていますが、それが今度は水に波及するのは時間の問題ではないかと私は思います。
石油値上がりよりももっと深刻な水の問題。これからの私たちはどうなるのでしょうか?
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類