実は、霧の多い日は浦西と浦東を結ぶ黄浦江のフェリーが運行停止となるため、利便性を考えて、自動車専用道路のトンネルが自転車でも走ることができるのです。
ちなみに、浦西と浦東は地下鉄・バス意外にも自転車での往来も非常に多いのです。しかし、橋もトンネルも自動車専用で、いつもは自転車はフェリーに頼るしかないのです。。。
さて、私も上海に来て10数年。
この黄浦江をくぐるトンネルを自転車で走りたいという願望がありました。だけど、交通法規を破ってまでトンネルを走ることはできません。そして、いままさに夢を実現するときです!
いざ、出発。
霧の影響で、道路は浦東もすごい混雑。しかし、路肩を走る自転車はスイスイ。
そして、無事八佰伴(ヤオハン)の前まで到着。ここから、いつもは自転車で走られない復興路トンネルの入り口を探します。
復興路トンネルは、2階建て構造になっていて、普段は上部を小型車、下部をバスなど大型車が走ります。2階建て構造のトンネルとしては中国初!
さらに、今回自転車に開放されていたのは上部の部分。半円形の天井が、私がトンネルの上部を走っていることを実感させます。小型車用なので、トンネルは非常に低く、自転車にのっても結構圧迫感があります。
トンネルの長さは約2.7キロ。往復5.4キロ。
たった2.7キロとタカをくくっていたのですが、これがかなりきつい。
浦東側からトンネルに入ると、トンネルの道路左右は真ん中は区切られていて、右側通行になっています。原付自転車、電動自転車、自転車と「非機動車」と呼ばれる乗り物は一斉にトンネルの奈落の底まで突っ走ります。
そうなんです!トンネルは大きくV字型になっていて、いったん下まで降りてしまうと、今度は必至に漕がなくてはなりません。
しかも、どの「車輌」もすごいスピードで、警笛をビービー鳴らしながら行くわけだから、トンネルの壁に反響してやかましいことこの上ない。
さらに、思わぬ強敵に出くわしました。それは、トンネルの換気フアンです。この風圧がすごくて、必至にペダルを踏んでも吹き戻されるような感覚です。
そして、中国製電動自転車の多くは力尽きて登坂できない。降りて押す人や、電動自転車のペダルを必至にこいで行く人がたくさんいました。
ははは、これじゃ日本の坂はダメだな、と彼らを横目に私は必至に復興路トンネルの坂をこぎました。
2.7キロのトンネルはかなり走りがいがあります。
大きくカーブするトンネルの先には、明るい出口の光が。。。
そして、到着したところは上海浦西の旧市街。浦東との景色の違いに改めて感動。
トンネルの入り口では、公安が自転車や原チャの交通整理をしていました。
そして、Uターンして再び浦東を目指す。爽快にトンネルの奈落の底までこぎ進み、風圧に耐えながら、陸上の明かりを目指します。
「ハー、ハー」と息も絶え絶えになり、汗だくになって再び浦東の八佰伴(ヤオハン)前に到着しました。
そのあと、近くの永和豆浆に入って、冷たい豆乳をゴクリと。
いや〜、爽快でした。
今度は南浦大橋を自転車で走りたい。
しかし、これは永遠に不可能でしょうねえ。あのグルグルのループを自転車で下ったら爽快だろうなと思いつつ。。。