2008年01月18日

2007年上海食品安全白書

 最近、上海市では『2007年度上海食品安全白書』が刊行されています。市民1500人を対象とした調査結果が行われていますが、この中で、市民のうち60%が野菜に含まれる残留農薬について「最も心配である問題」と答えていました。上海市で売られている野菜の検査は、徐々にでも厳しくはなってきているようですが、まだまだ市民は不安に感じているようです。

 一方で、市民がよく遭遇する食品に関する問題として、計量通りに商品が充填されていない、品質保持期限内なのに食品が腐っている、食中毒、包装が不適当、さらにマークやシールが偽物であったり、ウソであったりするなどが挙がっていました。

 これらは想像の範囲内ですよね。

 その次に、市民が知っておかなくてはならない常識なのに、知っているひとが少ない知識として、「野菜類は調理する前に3回流水でしっかりと洗い、さらに水につけておく」というのが挙がっていました。皆さん、ご存じでしたか?上海で食べる普通の野菜は、政府の指導からしてもこれほど厳重に洗わないといけないようです。

 さらに、まな板や包丁を生ものと火の通ったものとで分けなければならないということも知らない人が多いとのこと。レストランとか大丈夫かなあ。。。。
 

 ちなみに、上海市で2007年に発生した集団食中毒は13件、中毒になった人は326人、死亡者はいなかったそうです。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

薪釜で炊くご飯

 無錫近郊の農家では、まだ薪釜が健在でした。お湯沸かしから、ご飯炊き、野菜炒めまで基本的にこの薪釜で行われています。

 といっても、山がないので薪が簡単にとられるわけではなく、薪と藁をうまく使い分けて、釜に火を入れています。うちの妻も私より5歳下ですが、この辺りで小さい頃育っているので、薪を使って火をおこして、ご飯を炊いたりすることはお手のものです。火力も上手に調節されています。

 さすがの私も、小学校の頃に体験学習で薪釜を使ったことがある程度で、どのように使ったらいいのかさっぱり分かりませんでした。なんせご飯を炊くといえば、電気釜で育った世代ですから。。。辛うじて飯ごう炊さんができる程度。


 もちろん、薪釜で炊いたご飯は、必ずといってもいいほど「お焦げ」ができます。中国人の間でもこの「お焦げ」が好きな人が多く、また中華料理の中にも「お焦げ」を使った料理が多いのも理解できます。無錫のこの辺りでは、水飴などを使って「お焦げ」のお菓子をつくる習慣があるのだそうです。


 このお釜はいろいろ観察してみると良くできています。

 薪を燃やすところは、お釜の裏側で、そこに薪を入れる口が開いています。

 もちろん、後ろからも前の釜の様子が見渡せるように覗き窓が開いていて、そこから様子を見ながら火加減を調節します。火加減といっても藁や薪の量などを調節して火加減するので、かなりコツがいります。ガスのように、ひねったら終わりというわけではありません。

 さらに、釜には「熱水」を作るための専用の鍋も作られていて、ここに井戸水を足していつでもお湯が使えるようになっています。

 この村では、いまでもお風呂も薪でやっているところも多いです。薪風呂は芯から体が温まるので、村人たちにも人気のようですが、なんせお湯を沸かすのが面倒なので、毎日という訳にはいきません。

 新米+薪釜で炊くご飯。

 農民たちからすればごく当たり前ですが、私からすれば非常に香り豊かなお米を堪能できました。

真ん中奥にあるのが熱湯専用のなべ


 パソコンやインターネットは知らない彼らだけど、生活の知恵は都市に住む我々とは比較できないほど豊か。中国の田舎のおばちゃんパワーには圧倒させました。

 世の中は不景気やらなんやらいいますが、彼らはどこでも生きていけるたくましさがあります。

 収穫の喜びと食べる喜びが実感できるのは、まさに人間の幸福の原点なのでしょう。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類