2008年01月19日

例年より早まっている帰省ラッシュ

 春節の帰省が、中国人にとって特別な意味があることは、このブログでも毎年書いていますが、今年はこの帰省ラッシュが例年よりも早く始まっています。まだ春節まで2週間以上あるのに、地下鉄や駅周辺では、布団等家財道具一式を袋に詰めた民工(出稼ぎ労働者)たちの姿をたくさん見かけます。

 民工たちの上海での苦難の生活は、まさにこの春節の帰省のためにあるといっても過言ではないのです。だから、民工たちが無事に田舎に帰られるように、政府も最大限の努力をしているのが分かります。

 彼らの帰省が早まった理由をいろいろ考えてみると、まず上海に流入する出稼ぎ労働者の急増で、一斉に帰省するための交通の便の確保が難しくなってきたというのが考えられます。

 たとえば、面白い計算がメディアでされています。四川省(重慶市)から上海で出稼ぎにきている民工たちは60万人いると政府のデータで発表されていますが、かりにこの三分の一が帰省したとしても、20万人にのぼります。
 しかし、上海から四川省の成都・重慶を結ぶ列車は1日5往復。定員にして6000人ほどです。途中で乗車する人もいるので、上海から乗車券を買えるのは1日4000人分。立ち席乗車券を買っている人もいるので、6000人乗り込めた(詰め込めた?!)としても、20日間の春節の帰省ラッシュに鉄道を利用できる人は12万人だけです。つまり、大部分が鉄道での帰省を諦めなくてはならないということです。(ちなみに、快速列車を使っても上海から成都まで夜行列車で30時間以上かかります)

春節時の外灘 パワフル!


 鉄道がダメなら、今度は長距離バスを検討しなくてはなりません。最後の頼み綱の長距離バスも、上海駅の長距離バスターミナルをみて分かるように、もうすでに長蛇の列です。

 ここからも、いかに民工たちの帰省が大変か検討がつきます。そんな中、ダフ屋が出現するものなら、社会不安にもなりかねません。如何に安全に帰省してもらうか?これは非常に大事な問題なのです。

 帰省が早くなったもう一つの理由に、私は民工たちの多くがこの一年結構「稼げた」というのも理由にあると思われます。上海は建設ラッシュに湧いていますし、とにかくお金を稼いで故郷に錦をたてたい彼らにとってはここは格好の場所なのです。しかも、中国の都市部では工場などでは労働者も不足しがちです。それが直接人件費アップにもつながっているようですが、逆に言うと、中国人の生活が豊かになってきた証拠で、今度は稼いだお金を地方で還元する非常に大きな経済の原動力になるのです。中国人全体が生産する側から消費する側に徐々に変わってきていることも分かります。

 私の無錫の親戚も、最近BUICKを買っていました。農村でもそうしたマイカーを消費できるぐらいにまで所得が向上してきているのです。

 問題は、かれら民工たちが春節後にもちゃんと上海に戻ってくるかどうかです。上海人の多くは、家政婦などを彼らに頼っています。安い労働力が豊富にあるかと思いきや、社会の発展とともに急速に不足し始めているのも事実なのです。

posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

上海では忘年会真っ盛り

 中国の「年末」ですね。

 中国での年末といえば、2007年12月よりもむしろ春節前の数週間を指すわけでして、私もこの時期は毎年そこら中から忘年会に呼ばれて走り回っています。この週末も、金曜日・土曜日・日曜日と4カ所から声がかかっていて、はしごしている状態です。

 中国の忘年会、すなわち「年夜飯」の時期がくると、2007年も本当に終わるのだなあと実感するものです。

 「年夜飯」について、各企業も様々な嗜好を凝らしています。見栄っ張り?!が多い上海では、とかく派手なくじ引きをしたり、豪華な食事を出したり、余興もあったりしてどこもよく似たものです。

 中国人はとくにこの「年夜飯」を大事にします。皆さんの会社でももうやられましたか?
 
 上海の病院系統では製薬会社が羽振りよく医者に「年夜飯」をやっていました。中国人はとにかく賑やかなのが好きです。
 「热闹,热闹!」です。

 わが上海エクスプローラー社も今年で10年。うん、よく頑張った!
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類