2008年01月24日

上海の水をうまいと感じてしまう悲しさ

 日本と違って、中国ではいくら田舎に行っても素晴らしい環境と水・空気に必ず出会えるというわけではありません。貴州省や四川省の山奥にいっても、いかにも汚染物質を出しているような工場に遭遇することは度々あるし、今回のように安徽省の貧しい農村にいっても、それが即すばらしい自然環境につながるというようなことはまず期待できません。

 中国の場合、農村へいけばいくほど、場合によってはゴミ問題が大変だったり、生活排水の問題で河川がすっかり汚濁されていたり、急速な消費生活が環境を破壊していて、自然がダメになってしまったケースが非常に多いのです。当然、田舎へ行くほど、政府の声も届きにくくなるのです。

 例えば、水でもそうです。今回の開校式で宿泊したホテルでも、水がまずい。水道水には強烈な味があり、シャワー以外使う気にはなりませんでした。
 上海のような1級都市ならともかく、中国の3級都市以下の都市となると、この傾向は顕著で、逆に上海の水が懐かしくなるぐらいなのです。

 無錫の親戚の家でも、今でも生活用水は庭にほった井戸が使われていました。以前は大丈夫でも、いまや付近に中小の工場がどんどん進出してきて、昔のように井戸水を使うことは、私は躊躇しました。

 水の豊かな日本に住んでいる我々からすれば考えられないことかもしれません。中国のようにこれだけ広大な土地があっても、使える水は極端に不足しているのです。

 常識で考えても、各省の汚染物質が流れ着き、さらに長江や黄浦江の下流に位置する上海が、良質な水を獲得するのにどれだけ苦労しているか想像に難くないです。

 いま、中国でも食糧の値上がりが大きな社会問題になっていますが、それが今度は水に波及するのは時間の問題ではないかと私は思います。

 石油値上がりよりももっと深刻な水の問題。これからの私たちはどうなるのでしょうか?

posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

衣類とホルムアルデヒド

 下着にしろシャツにしろ、新しい衣類を買ってきたときに上海人のうちの妻がやることは、まず洗濯。

 私のように「新品だから大丈夫だ」と考えるのは、かなり甘いようで、新品だからこそ誰が触って、誰が試着したかわからないから、まず洗濯しなければならないそうです。さすがに新しい靴は洗いませんが。。。

 中国では、子供服にホルムアルデヒドなど有害な物質がはいっていて、以前かなり社会問題になっていました。でも、子供服だけではないことは確かです。

 最近、上海の夕刊紙『新聞晩報』が書いた報道では、中国で売られている一部のノンアイロンのシャツやズボンに、実はホルムアルデヒドが使われているというのです。

 たしかに、私も患者さんで肌が荒れて化繊を着ることができない人に会ったことがありますが、そうした皮膚アレルギーの原因の一つにホルムアルデヒドが関係あるというのです。

 考えてみれば、ホルムアルデヒドはシックハウスでも悪さをする原因の一つ。

 ノンアイロンの性能を発揮させるために、生地全体にホルムアルデヒドを拭きかけたり、長期が持続するものに関しては、布全体をホルムアルデヒドに浸けてしまうこともあると書かれています。だから、こうした作業をする民工たちの手は荒れ、マスクもしないととてもやってられないそうです。

 安物をいっぱい売っている服飾市場では空気が刺激臭で淀んでいることがあるのも、実はこのホルムアルデヒドが関係あるとかで、また新たな問題となりそうです。

 結局、安くて便利なものには、なにかウラがあるのでしょうね。

 
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類