2008年01月25日

生薬=100%安全ではない

生薬の話を日本人の患者さんにすると、多くの方は副作用が「ない」とか、「安全」とかいわれて、すっかり安心なされる方が多いのですが、実際には100%安全な薬は存在するわけではなく、食品でも食べ過ぎると病気になるわけですから、過信しては絶対にいけません。中医薬は、西洋医学の薬と比較すると「相対的に」安全だということです。

 断っておきますが、中医学を研究している我々が言うのですから、決して「営業妨害」しているわけではありません。

 上海人の患者さんの中にも、生薬の服用しすぎで体を壊してしまったり、中には肝機能や腎機能をやられてしまった人を見かけます。その中で、とくに中国でよく見かけるのが無許可・非合法「ダイエット薬」を盲目的に服用してしまって腎機能をやられてしまった患者さんです。

 一時期多かったのが、Aristolochic Acid(アリストロキア酸)と呼ばれる成分が含まれる生薬を長期にわたって服用したケースで、錠剤のものでもかつては中国にも存在していました。今は、副作用の報告があり、正規の医薬品ならまず大丈夫のはずですが、アリストロキア酸が含まれるものとして、広防己や関木通などの生薬がその代表です。
  
 中医学の教科書の中にも、木通という生薬は確かにあるのですが、同じ木通でも関木通・川木通・白木通など様々な別名があります。実はこの3つの植物、姿形がよく似ているのに、品種が全く違うのです。しかし、生薬の枯渇問題や価格の問題などで、一時中国では木通を関木通で代用していた時期がありました。その結果、思わぬ副作用の報告が出てきたのです。

生薬だから副作用がなく、長期に服用しても大丈夫という考え方はよくなく、からなず専門家と相談して、正しく服用することが大切です。

 もちろん誤解があってはいけないのは、生薬も正しく服用すれば、有益であることは間違いなく、患者さんサイドでも正しい知識を持っていることが前提です。
 そして、生薬や中医学、漢方がなにも神秘的な治療法というわけではなく、医学の一つの理論として成り立っていることを認識し、疑問点があれば医師にしっかりと尋ねることです。


posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

背の曲がったお年寄りが少ないような気がする

 病院には地元上海の高齢者がたくさんやってくるのですが、最近ふと思ったのは、杖をついて背中が曲がったお年寄りが上海には少ないように思います。

 医学的に統計をとったわけではないので、なんとも言えませんが、私の感覚からすると、病院にやってくる高齢者は背をピンと伸ばして歩いています。

 無錫の田舎にいったときも、近所のおばあちゃんはみんな70歳以上なのに、背中はぴんとしていました。妻の祖母も85歳ですが、姿勢はピンとしてシャキシャキあるきます。

 そういえば、上海の小姐に限らず、中国人全体に姿勢がよいと思いませんか?

 これは、机と椅子で生活する生活習慣が影響しているのでしょうか?それとも食生活?あまりお辞儀をしない文化?

 逆に、日本に戻ると、地下鉄でもスーパーでも背中の曲がった高齢者をよく見かけます。

 この違いにちょっと関心があります。

 ちなみに、上海人女性の平均余命はすでに82歳を突破しました。

posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類