上海大厦といえば、外灘の北の端に位置し、ブロードウエイ・マンションズとも言われています。もうすぐ解体修理が行われる外白渡橋のたもとに位置し、上海のシンボル的なホテルの一つです。
その昔、日中戦争の硝煙がにおいだす1939年に、上海恒産株式会社という日本企業が経営していました。その当時の資料もこのホテルのバーに残されています。
日本人居住者も多く、日本人にも結構馴染みがあり、ここで生まれたという日本人が毎年団体旅行でやってくるそうです。
今で言えば、東櫻花苑やガーデンプラザなどで生まれた子供たちが、当時を懐かしく思って大人になってから訪れる人もきっといるかもしれません。
さて、さて、ここで私が一番興味があったのがエレベーター。今から70年前のOTISエレベーターが現役で動いています。といっても、ロビーから入れるわけではなく、今回は特別に見せていただきました。
今は、従業員用となっているのですが、左右の袖に1カ所筒あり、アコーディオン式の格子出作られた入り口が歴史を物語っています。
もちろん、中におじさんが座っていて、手動で操作されます。各階にボタンがついていて、そのボタンを押すと、おじさんがその階へエレベーターを運転しにいきます。
入り口の格子を手動であけるハンドルがなかにあって、それをグルグルとまわすと、ドアが開きます。エレベーターの動きもなにかクラシカルで、電車でいうと釣り掛け式モーターの感じです。動きがなめらかではなく、まさたに機械式です。
さらにもっと興味深かったのが、入り口の階を示す文字盤。昔は日本でもたくさんみられましたが、時計のように↑で階を示します。また、エレベーターを呼ぶためのボタンもクラシカルで、いい味をだしています。
70年前といえば、エレベーター自体もまだ珍しく、この上海大厦がいかに贅沢な高級マンションであったか想像がつきます。
このエリアも現在まだ改修が行われていて、もうしばらくすると一般にも公開されるようです。
今ではこれだけ使われているOTISのエレベーターも珍しく、メーカーの人も参観にくると聞きました。
私たちの思い出の上海大厦、2階の喫茶店からは今ならまだ外白渡橋も見られますし、かなりお薦めですよ。(前に比べて、ずっとサービスがよくなっています。)
結婚式の翌日に外来があったので、7時頃にホテルをすっ飛んでいったのを覚えています。
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