日本ではツムラなどがエキス剤を販売していますが、中国ではまだ本格的に普及していません。その原因は、エキス剤が中国の医療保険扱いされていないから。でも、私費でよければエキス剤は中国でも処方されますし、購入できます。
ただ、中国人の場合は、高いお金を払ってエキス剤を使うぐらいだったら、むしろ自分で生薬を煎じたらいいということなのです。
エキス剤と生薬との間には換算表があって、例えば生黄耆だったら、生薬10グラムがエキス剤の1.5グラムに相当します。有効成分を抽出してつくるエキス剤が、果たして本当の生薬と同じ効能があるか、というのにはかなり議論があります。
私もどちらかというと半信半疑ですが、でもお湯に溶かして服用できるエキス剤は、これら中医学の発展には欠かせないと思っています。例えばお年寄りなどが薬を煎じるのも、長時間煮詰めないといけないので、火を消すのを忘れたら、それこそ危険です。
何より、エキス剤がすごいのは、水に非常にとけやすいという点。生薬を煎じるときは、これがなかなかうまくいかないことがよくあります。前回の実験でも、溶かすのに非常に苦労しました。
さて、ラットにこれを使って私の希望する結果が出てくるか、すこし楽しみです。