2008年03月20日

医療不信

 社会に格差が大きいところほど、医療に対する不信を持つ人も多い。

 私はそんな実感を覚えます。

 中国衛生部の統計では、中国では2006年〜2007年にかけて医療に関連するトラブルが急増し、年間100%に割合で増加しています。上海市の場合、2007年に発生した医療トラブルは5259件、このうち病院などで騒いだりするケースが180件、医療関係者を殴ったりするケースが23件、医療関係者を恐喝するケースが96件、医療関係者を拘束したりするケースが44件、公安が出動したケースが125件。。。。などと公表されています。さらに医療機関の施設や備品を破壊したりする行為も上海市内で33件発生しました。

 上海のマスコミなどでは大きく報道されることはありませんが、私も現地の医療の現場を見ていて、こうした騒ぎを目にします。もちろん、患者サイドが無茶な要求を出すときもありますが、それ以外にも医療機関側がちゃんと聞く耳を持たないで対処できていないと思われるケースもありました。 

 中国において、格差を最も感じる分野の一つにやはり医療があると思います。同じ内科でも1回の診察で数百元の診察料を求める診察もあれば、10元未満で済ますこともできます。

 農民のいく衛生院と呼ばれる施設も、いまでこそ拡充されてきましたが、まだまだ使える薬の範囲や治療方法には制限があり、大都市との治療とは差があります。

 上海市内でも、地域医療の現場となれば、まだまだ大卒の医師が珍しいのが現状なのです。その結果、患者の間に少しでもよい治療を受けたいという願望が強まり、大病院がとんでもない混雑となります。そうすると、混雑がミスやトラブルを引き起こし、こうした医療トラブルに発展するのではないかと思います。

 医療機関が患者に信頼されないと言うことは、医療にとっては致命的な問題です。もちろん、信頼される医療機関の構築には、もうすこし時間が必要なのかもしれませんが。

 いま中国の医療機関全体が大変なのです。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類