2008年03月23日

華人中医師たちの議論白熱、江陰の大会

 世界中医薬学会聯合会の理事会にオブザーバーとして参加しています。

 江蘇省江陰のホテルで開催されている大会ですが、世界各国からあわせて80人ほど来ています。白人も少なくなく、アメリカ・カナダ・イギリスなど中医学が盛んなエリアからも専門家がやってきました。

 ただ、全体的には華人が圧倒的に多く、英語を使う場面はほとんどなく、普通語ができれば、世界中の人たちと交流できます。さすが、中医学の学会です。

 日本は伝統医学として漢方医学があるため、中医学の導入はなかなか難しいのですが、欧米ではかなり進んできました。各国で各国の事情にあった導入が必要なわけで、そのための基準作りを世界中医薬学会聯合会でサポートしていきたいという背景もあります。

 また、中国語の漢字で作られた中医学の用語をいかにして英語など横文字文化で翻訳し、標準化を試みるのもこの学会での特徴です。日本語での取り組みも行われつつあるのですが、まだまだ国内での各派閥の対立があり、うまく進んでいないようです。

 たしかに、この大会のもくろみはよくわかります。中国の伝統医学である中医学を中国人の手によって、規格化・統一化しようということなのですが、日本のように東洋医学が普及していると、なかなか新しい勢力として切り込むことが難しい。これからの相互理解が課題です。

 私は中国での医師資格(中医学)を持っていますが、一般的に日本で中医薬をやっている人が受ける試験に国際中医師試験というのがあります。これは、中国国内では資格として使えませんが、中医学を勉強したということを認定する試験として日本などでもひろく取り扱われています。

 世界中医薬学会聯合会では、こうした資格試験の整備も行っているのですが、こちらは各国の思惑もあり、なかなか一筋縄ではいかないことでしょう。

 中医学がグローバルになればなるほど、中国人だけの牽引では難しく、いかに各国の医学界を取り込むことができるかがポイントです。

 2004年におとずれたことがある香港浸会大学の中医薬学院院長の劉良教授とも話をするチャンスがありました。中医学の世界の窓口としてがんばっている香港の姿を知ることができました。

 この大学では、英語で西洋医学を勉強し、中国語で中医学を勉強するという2カ国語の授業が行われています。大陸、とくに広州中医薬大学などから専門家を呼び、臨床・講義を行うほか、学生の大陸での大学での実習研修も行っています。こうして、世界でも通用する中医学を学生たちに学ばせる試みは、さすが香港だと思いました。

 ちなみに、香港では西洋医学と中医学のライセンスがあって、西洋医学は生薬を処方できないし、中医学は西洋薬を処方できないようになっていて、お互いがお互いの特色を生かせるような仕組みになっています。もちろん、大陸で医師資格を持つ人も、香港の中医師の資格を取得することができます。

 あと、がんばっているエリアとしてオーストラリアがありました。国内4カ所の大学で、中医学の学士〜博士までの課程をもつオーストラリアでは、いま3000人近い中医師が育っていて、一部州では学会の認定があれは、保険処方もできるということです。

 これから午後は国際資格試験についての会議です。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類