いま、上海の不動産会社は不動産の契約数が減って、どこも大変な状態になっているのは理解できるけど、今日の不動産売買勧誘の電話はすごかった。
その販売員がいうには、
「中○地産(香港系列の有名な不動産会社)」
と名乗って、
「緊急ニュース!北京オリンピックまでに外国人が所有している中国の不動産を中国政府が強制撤収させる、だからいますぐ売りなさい。」
という勧誘だったのです。
「バカなことを言うな。」
と一蹴しましたが、こういう話はちょっと考察しなくてはなりません。
まず、この微妙な時期に、こういうデマを本気で流したのなら、中国の国家安全局に通報しなくてはなりません。
さらに、こういう電話が普通に来るということは、いまの中国の国内で吹き荒れている世情を感じ取ることができます。
聖火問題から、ちょっと上海の街の風向きが変わってきていると感じている今日この頃です。
いま中国のメディアでは愛国心を高める報道があきらかに増えています。その上、フランスなど世界各国でオリンピックの聖火リレーに対する妨害が中国で徐々に明らかになり、中国人の愛国心増幅と、一種の排他的な思想の復活がくすぶりはじめているようにも思えます。
つまり、一部中国人の間で、事情を知らない諸外国が勝手に中国を攻撃しているという思いこみが蔓延し、それがやがて外国人を排斥しようとする感情に変わる可能性も否定できません。
もうすぐ長野で聖火リレーが始まりますが、これももしフランスのような妨害が起き、それを中国現地のメディアが大きく報道したら、日本に対する非難に中国の世論の目が向けられる可能性が十分にあります。(もちろん、主席の訪日前にはそういうことはないと思いますが。。。)
ところで、上海のローカル不動産業者は、我が家の周りにたくさんありますが、中に勤めている若い青年たちは、その殆どが地方都市からやってきた人たちで、よく歩道などで仕事もろくにせずたむろしています。こういう青年たちが、実は何かあったときに一番機動力があるのを忘れてはいけません。
2008年04月17日
上海のある不動産業者の末期症状
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類