中国で米の価格が上昇し始めています。
中国人にとって、レストランでは半ば無料同然で食されていたお米も、ちょっと状況が変わってきました。
まず、タイからのタイ米の輸入に頼っている広東省では、すでにスーパーで10%近く値上がりしているようだし、中国国産の東北エリアの米も5%以上の値上がりとなっています。
中国では、4年連続米の生産量が減少していて、一方で消費量が増大するという矛盾、さらに農民たちが値上がりを見越して売り惜しみしているよいうような状況もみられるということです。
『今日媒体』の報道を見てみると、中国国内の穀物の値段は、海外に比べて四分の一の値段に抑えられているところから、ついに海外へ売り出す密貿易が台頭しだしているという情報もあります。
さらに、これまでに2億人の農民が都市に出てしまい、中国内地で耕作する人口が減ってしまい、気候変動により穀物の栽培に適したエリアが年々減っているというデータも示されています。今後は農民もなにが儲かるか考えて栽培する傾向が強くなるため、思い切った増産が難しいのも現実問題となりつつあります。
中国の小売り業界では5月の連休以降に米の値段を上げていくという公算はほぼ確実で、食糧問題は深刻化しはじめています。
一方で、中華料理に欠かせない豚肉に関しても、相変わらず国内の生産が追いつかず、中国政府も海外輸入の豚肉を奨励するようになりました。
いまや、豚肉の値段も輸入品・国産品の間で差が縮まってしまったのが原因。
そのため、今まで輸出していた中国産豚肉も、その輸出量が前年比50%の規模で減少しているようです。
食の安全はともかく、今後は食の確保すら本当に大変な時代になりつつあります。食が確保できなければ、安全など言っている場合ではないのです。
確かに安全な食の生産は大切ですが、それで生産効率が落ちてしまうと、今度は食べ物のとり合いがますます激しくなります。
難しい世の中になりました。
2008年05月02日
米の減産、中国で米価格高騰
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類