上海で外食するのはほんとうに難しい。
安心した食材で中華を食べたくても、そう簡単に見つからないし、とくに一般的な中華料理は化学調味料を入れるな、と従業員にいっても大抵はいれてくるし、しかも中国人の客が大きな声で喋るので、日本人同士の会話は声がかき消されてしまう。
一番いいのは、お客さんを我が家に招待することなのですが、妻が妊娠していることもあり、最近はちょっと遠慮気味。そこで、ここ続けて会食で訪れたレストランが中山公園の「過門香」です。
久しぶりに、中華を食べても後味がよいレストランが見つかったと私は非常に喜んでいます。化学調味料を使わないと言うことをしっかりと宣言していることも嬉しい。味付けがさっぱりしていて、上海では珍しく食べた後に喉が渇かないのです。
でも、上海人のお客さんからするとちょっと不満かも。。。なんせ、味の決まり手である「味精」が入っていないのですからね。
この店、関西出身の私にはあまり馴染みがない名前なのですが、実は東京の銀座・赤坂・丸の内などに店があり、日本から中国に逆輸入された中華料理の店なのです。
さらに、嬉しいのが水はちゃんと処理されたものを使い、野菜も安全なものを使っているとこだわり。
野菜はまだこの目で確認していないので、メニューに書いてあることが本当かどうかはわかりませんが、少なくとも水に関しては、出されたお茶やスープなどに違和感がないので、いい水を使っていることがわかります。
ご存じのように、上海の最近のレストランでは、中華系でもお茶が出るようになったのですが、これは一般的に水がまずくてとても飲めたものではない。さらに、そういう水を料理にも使うから、こういうレストランにはどの店にも一貫した「共通の上海の味」があることが多いのです。
広東人や香港人はこのお茶で箸を洗うことはあまりにも有名ですよね。
値段もそれなりして、1人お酒がなくても100元は軽く超えますが、このクラスの料金で原材料がまったくブラックボックスであるローカル日本料理屋の食べ放題と比べても、よっぽど気が利いていると思います。
昔は大食いだった私も、さすがに30歳も超えてしまうと、バイキングや食べ放題に行くのがすごく精神的に負担になるのです。そして、目の前に大量に出てくるローカル中華料理店や焼肉店のボリュームにも食欲が減衰してしまいます。
確かに、人によって感じるところが違うと思いますが、私のように中国に長くいて、上海の四川料理など「なんとか料理」にもうすっかり飽きてしまって、だけど純粋に安全で口当たりのいいものを食べたいときなど、結構お薦めできるレストランかもしれません。
でも、やっぱり妻が作ってくれる上海料理が一番ヘルシーです。
【データ】過門香
住所:上海市長寧路1018号中山公園竜之夢購物センター8階
電話:021-33727677