2008年05月17日

異臭が漂いはじめた街

 四川省の地震で、ここ数日の上海のニュースや新聞は地震関連ことばかりです。中国に13年生活して、これほどまで一つの事柄に注目して集中して報道されるというのは、初めてです。

 『新聞晩報』の報道では、四川省の北川県では、いま必死の救出作業が行われていますが、気温の上昇と時間の経過とともに、処理されなかった遺体が、がれきの下で腐敗しはじめ、街全体ににおいが漂うまでの段階にまできているようです。

 まだまだ街を普通に歩いていても、遺体に遭遇する段階で、救出作業が難航していることがよくわかります。その結果、遺体を発見しても処理が追いつかず、今では塩素の消毒液をかけて処理していると報道されていました。

 北川県は川の上流に位置しているため、すでにこうした遺体が水源を汚染しはじめており、コレラや脳炎、肝炎など伝染病の対策が急務となっており、衛生当局も深刻度が増していることを認めていました。気温も30℃になろうとしています。

 異臭が漂う現場では、マスクが必需品なのですが、すでに成都のような大都市でもマスクが不足しているということです。

 被災地では、いま中国各地から消防隊が送り込まれ、懸命の救出作業が行われています。しかし、時間だけは無情に過ぎていきます。
 上海のメディアだからでしょうが、上海の消防隊の活躍が多く報道されています。

 そんな中、カナダなど外国人ボランティア医師団も到着して活動を行っているいるようです。

 5月16日14時現在、死者は四川省で21577人、甘粛省で364人、陜西省で109人、重慶で15人となりました。

 弊社上海エクスプローラーでも、インターネット屋としてできることをやろうと準備を進めています。日本のマスコミは、一時産経新聞でかなり詳しくニュースを伝えていましたが、昨日あたりからぐっと減りました。

 まだまだ予断を許さない状態で、いや被災直後よりもっと深刻な状態であることが刻々とテレビから伝えられてきています。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類