2008年05月19日

14時28分、すべてが止まった

 今日は、上海中を走り回っていた1日だったのですが、朝は上海科技館前の浦東新区政府の前の半旗となった中国の国旗をみて、いつもとは違う一日であることを実感しました。そして、朝いつものように売店で買った朝刊も、赤色が消えて白黒一色になりました。

 中国では今日から21日まで、全国で喪に服することになっております。

 どんな形にしろ、毎日刻々と伝えられてくる被災地の様子に、胸が痛む思いがします。

 地下鉄のプラットホームのモニターには、いつもの娯楽ニュースは消え、四川省の被災地の写真が流されていました。

 いかに今回の地震がすごかったか、毎日その報道を読んで胸がつぶされる思いです。

 

哀悼日を伝える新聞


 地震が発生した14時28分。

 今日、この時刻には私は閔行区の地下鉄1号線莘庄駅にいました。

 駅にはいつも雑踏がありましたが、14時28分の防空サイレンが鳴った瞬間、人々の動きはぴたりと止まりました。

 地下鉄もこの瞬間運行が止まり、列車からも「フオーン」と音が聞こえてきます。

 コンコースにいた乗客、駅員全員が西の方角を向いて黙祷を捧げました。

 その瞬間まであれだけ賑やかだった莘庄駅が一瞬の間にシンと静間にかえり、まるで別世界にいるような気が張り詰めました。
 中国人全体が、街の中でこうやって一瞬に動きが止まる瞬間を、私は初めてみました。誰も一言も喋りません。

 中国人の同胞を思いやる気持ちに感動しました。

 いや、地震災害とはまさにそうなのでしょう。一瞬のうちに生命が奪われてしまう。この世界が変わってしまう。それも予報なしに。

 如何に今回の地震災害が、中国人の心の中に、そして我々の心の中に深くトゲを刺したか。

 人々の哀悼の思いが十分に伝わってきます。

 もちろん、私も3分間の黙祷を捧げました。

 この地震が、ひょっとして中華民族に何か大きな変革もたらすきっかけになるのかもしれません。なんか、そんな予兆を感じさせる今日の14時28分でした。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類