2008年05月25日

工事現場と病原菌

 この前、上海のある病院の呼吸器科の専門家と話をしていたら、最近上海でも結核が問題になっている話題が出てきました。確かに、中国の医学界でも、結核患者の増加が危惧されていますし、都市化とともに実際流動人口が増えて、結核の拡散が心配されています。

 その中で、工事現場の増加が、こうした病原菌による感染を広める可能性があるのでは?と呼吸器科の先生たちの間で問題となっているのです。

 どういうことかというと、最近、上海でも古い建築物を壊したり、地下鉄工事などをあちこちでやっていますが、地中や建物に眠っていた病原菌が、掘られた瞬間に空中に拡散し、それが人体に悪影響を及ぼすというのです。そのため、上海でも工事現場で働く人の間で結核が少なくないというのがその専門家の話でした。

 確かに、四川省の地震のときでも衛生状態の悪化から、疫病の発生が心配されていますが、意外にも我々の日常でも同じようなことがあり、とくに自然環境が一気に変化する工事現場でもありえるというわけです。

 このことを上海人の妻に話すと、確かに上海人の間でも、工事現場にはあまり近づかない方がよいという人が少なくないそうです。

 結核などはくしゃみや咳などによる飛沫感染はよく知られていますが、それを含むホコリなどでも空気感染する可能性が十分にあります。特に、免疫力が衰えている人は要注意です。

 手足口病のこともありますし、やはり人混みにはなるべく行かないようにすることが大切なのでしょう。

posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類