30年前、親に連れられてバンクーバーのチャイナタウンで食事をしたようなのですが、だったら、今回も絶対行ってみようと思い、再び98番のバスでRICHMONDを後にしました。
そう、Geroge Stを歩く段階までは、おしゃれなバンクーバーの街が続いていました。今度は、Cambir Stを北上すると、バンクーバーの街の景色が少しづつおかしくなってきます。
壁にスプレーペイントが増え、店にはシャッターが降りているのです。まあ、その程度なら、日本の活気のない商店街でもあり得そうですが、問題なのはドラッグ中毒者と浮浪者。
その数が半端ではない。歩道の軒下には、無数のホームレスの人たちが寝ていて、その周りを、如何にもドラッグ常用者というような風貌でなんやら取引している人も。
誰が見ても、普通の状態ではありません。
私も、これはしまった!と思いました。
Downtownの中心街に、まさかこんなエリアがあるとは、ちょっと予想をしていなかったのです。街の雰囲気が、チャイナタウンに近づくにつれて、ますます悪くなってきます。
そして、E Cordova Stあたりから、最悪の状態に。私に話しかけてくるような人相の悪い人たちすら出てきました。
チャイナタウンに抜けると、少しはマシになるかと思いきや、実際はSky Trainのスタジアム駅に着くまでは、気を抜けませんでした。もうこのあたりには二度と行きたくありません。私の判断が甘かった。
チャイナタウンの中華門あたりにも、ドラッグ常習者がたむろしていました。私は、もう足早にチャイナタウンを過ぎ去るしかありません。とても食事を楽しむような余裕はありませんでした。
カナダの大都市では、いまDowntownと呼ばれる旧市街を中心に、街の荒廃が進んでいるという話は聞いていましたが、まさから繁華街から歩いて数分のところにこういうスラム街があるとは、思いもしませんでした。
いや、これだったら上海の旧市街のほうがよっぽど安全です。日本の安全度とも比べようがありません。
社会の格差と、カナダ経済の停滞が生み出したたまものなのかもしれません。
そう思うと、日本の大都市は本当によく秩序が保たれています。例えば新宿歌舞伎町がどうだっといっても、昼間歩いて治安の悪さを感じることはそうないでしょうから。
バンクーバーの負の一面を今日は体で感じてしまいました。
世界一住みやすい云々というのは、一瞬のうちに脳裏から消え去りました。
その後、いろいろ調べてみると、チャイナタウンは、いままさに私が宿泊しているRICHMONDエリアに移ったようです。
本格的な中華料理の店も集まっていますし、華人向けのスーパー、日本人向けの本やなども充実しています。
バンクーバーのチャイナタウンは、中国系移民の増大と、移民たちの経済レベルの向上により、その姿を変えつつあるのだと実感しました。
まあ、バンクーバーの観光地図にはまだチャイナタウンがありますが、市中心部から歩いていくことはおすすめできません。
しかし、大都市の空洞化は怖いですね。日本でも、いまその傾向があるように思います。ゴーストタウンとならないうちに、早く手を打たないと。