2008年09月07日

別府での学会発表は無事終了

 この日、別府のAPU(立命館アジア太平洋大学)で行われた学会発表は無事終了しました。私のような若造に25分も時間をくださった学会関係者には、感謝いたします。

 最近、中国語での発表が多かっただけに、日本語で発表するのは嬉しいものです。

 今回の発表で、またいろいろな専門家とのパイプができました。がんばった甲斐があったと思っています。来年は、いま研究している中国伝統医学と温泉をテーマに、さらに深めた内容を発表できたらと思います。

奮闘中


 現在、日本の多くの温泉地は疲弊しています。別府や由布院のような全国的に有名な温泉地でも、問題は深刻化しています。実際に、温泉街が廃れてしまったところも少なくないのです。

 若者は旅行しなくなりました。もちろん、旅の形態が変わったというのは当然ですが、旅する余裕が減ったというのも事実で、温泉旅館は年々廃業に追い込まれているのが現状です。

 変わって、日本の温泉地に外国人の数が増えてきました。韓国人の間では、親孝行に一度は両親を別府に連れて行きたいというほどです。
 しかし、外国人の多くは日本の温泉マナー、温泉文化を知らないため、日本人との摩擦も起き始めており、女将たち旅館経営者の苦闘も続きます。正直、外国人には来てほしくないという声も聞かれました。

 でも、このまま日本人が国内旅行をしなくなったら、温泉地は外国人ばっかりということも十分あり得ると思います。
 

ご静聴ありがとうございました


 温泉は日本の立派な文化です。我々はこれを海外にも発信していかなければならないと思っています。うちのHPでも、特に中国人に対しての日本情報に力を入れています。

 今回は、別府の観光整備を担当なさっている役場担当者の方、温泉を医学的見地から研究なさっている専門家、旅館の経営者の皆さんとも情報交換ができ、有意義な滞在でした。

  私は、別府の街が好きになりました。そりゃ、今では大正・昭和ほどの最盛期ではないかもしれません。
 でも、すごく味のある街です。「極楽」と呼ばれる歓楽街から「地獄」と呼ばれる源泉街まで。(ちょっとスナックの数が多すぎるような気もするが。。。)戦争に焼けず、いまでも昭和の面影と路地も魅力を色濃く残しています。上海でいままさに消えゆく街の魅力の一つです。でも、別府にはありました。


地獄と極楽


 何より、温泉が至るところで沸きだし、庶民の生活には温泉が欠かせません。なんて豊かなお湯なんだろうと感動しました。
 食べ物は海のもの、山のもの、どっちもおいしいし、人情にもあふれている街です。

 別府のシンボルでもある竹瓦温泉で、地元の人が、「ケツの穴と○○○はしっかりと洗って入れ」と観光客にいっていました。どんな形であれ、彼らは自分たちの温泉を非常に愛しているのです。

 いま、大深度掘削など人為的に掘り出す温泉が増えていて、温泉に対する愛着がますます希薄になる中、別府の人たちは地域で大切に守っているのです。

 別府地元出身で大親友であるA医師は、「別府人は。。。」という事をよく話してくれました。そういう文化、誇りを郷土に持っていることは、うらやましいと思うし、私も将来そういうところに住んで地域に貢献したいと思うのでした。

別府の公衆浴場、竹瓦温泉
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類