なんせ相変わらず朝4時起床の私なので、表参道をつっきって明治神宮までお参りに行ってきました。
大都市東京になかに、これほどすばらしい森が残ってること自体が不思議なのですが、日本らしい荘厳さを十分に表現しており、感動しました。上海にはこういうスポットはあまりありません。あえて言うと竜華寺なのでしょうが、それでも俗世の雰囲気が充ち満ちているのです。
ここ明治神宮の神聖さは、日本人本来の気質と信仰に深く関係があるのだと思うのです。大切に守られてほしいものです。
さて、移動中にタクシーの運転手と話をしていると、彼は山口から「出稼ぎ」に来ておられる方でした。もう出稼ぎ暦は十数年になるそうです。
「いまや景気がいいのは東京ぐらいですよ、お客さん」という声には実感がこもっていました。山口県は萩市出身の運転手さんは、地元萩でタクシーをしても月10万ぐらいが精一杯、大阪に出てもろくに稼げず結局東京まで来てしまった、とおっしゃっていました。
人口が集まる東京では、郊外に住む人が多く、最近とくにマイカーでの出勤が減ったため、終電を乗り過ごしたサラリーマンを乗せることが最近増えたそうです。深夜はタクシーにとっては稼ぎ時で、東京から小田原ぐらいの距離を走ることもあると言っていました。1万円ぐらいの運賃は深夜になると結構あるそうです。歩合制の給料なので、夜が勝負だそうです。
家族にはいい環境で生活してもらいたいというサラリーマンの願望が強く、大東京は郊外へ、郊外へ発展していますが、それがこうした結果を導いているのだとその運転手は分析しています。
しかし、東京という町も、こうして地方からきた外地人にあらゆる面で支えられています。その結果の繁栄ということでしょうが、そのために地方での人口の流出が続く。一極集中は今も続いているのだと実感しています。
そして、地方からの流出でまかないきれなくなると、今度は外国人という流れになるでしょうが、結局どれだけ社会が発展しても、な〜んだ、いま上海が抱えている問題とそう大して変わらないのだとも思いました。
東京の外地人。東京繁栄の大きな功労者です。
でも、何とか地方でも暮らしていける社会を早急に考えるべきです。
しかし、運転手曰く、最近東京都内でタクシーが関係する交通事故をよく見かけると言っていました。稼ぐために無理している人も少なくないそうで、くれぐれも安全運転を!(しかし、どこかの国のタクシーもそうですよね。)
今回の日本滞在で、福岡で聞いた話ですが、福岡ではいま市内に結婚適齢期の女性が余り気味なのでそうです。男性は大阪、東京へ仕事に行き、変わって九州の地方都市から女性が仕事を求めて福岡にやってくる。その結果男女比が崩れてしまい、男<女という状態になっているとのこと。福岡のその方は、未婚の女性を集めてお見合いイベントを行ってあげているそうです。
最近の出会いチャンスの低さからも、なかなか結婚できず、それが今度は少子化を促進させているのではないかとも考えられます。結婚がしにくい社会というのは、やっぱり問題です。
こうした現象は、社会の安定にも極めてよくないと私は考えます。
高齢者にお金をかけることは結構ですが、これから日本を支えなければならない若者世代を、もっと支援するべきです。