最近、上海でもすごいマフラーをつけた暴走族が走るようになりました。中には、外国人や香港・台湾人の子供であることもあるのですが、地元上海の若者にもそうした遊びに興じる人が出てきているようです。そうした金持ち階層以外にも、出稼ぎで上海に暮らしている民工たちの子供たちが、いま徐々に成長しだし、彼らを如何に教育して社会に送り出すかが、大きな問題となってきています。
今までは、小さかったので、親からほったらかしでも大丈夫だったのですが、小学校・中学校と学年を経るにしたがって、そうも行きません。この子供たちの教育をどうするか、上海市も頭を悩ませているようです。
民工たちの子供の数は、現在60万人上海にいるといわれており、このうち義務教育を受ける必要がある子供は38万人いるようですが、その大部分は小学生で約30万人います。(2007年9月のデータ)
親が出稼ぎで忙しいため、子供の世話を十分にできず、結果的に犯罪や非行に走ってしまったりするケースが上海で増えているのだといいます。
その結果、上海籍の子供たちと明らかな格差が生じてしまい、社会問題となってきているのです。
そして、忘れてはならないのは、高等学校での教育です。
出稼ぎ労働者たちの子供は、中学校までは義務教育なので、上海で教育をうけることができても、高等学校は制度上、地元に戻らなければならず、進学に大きな制限を受けます。しかし、親は上海で仕事をしているワケですから、その多くは田舎に戻りたくなく、結局、進学を諦めて働きに出る、もしくはニートをして暮らすなどの現状があります。
これからますます増えてくるだろう出稼ぎ労働者たちの師弟を、どのように教育していくかは、まず制度の抜本的改革が必要にも思われます。
子供たちの中には、様々な職業訓練校に行きたいと思っても、現実には学費が払えなくていけないというようなこともあるそうです。
一方で、上海籍の子供たちの教育も最優先されなければならず、上海市政府も難しい舵取りが求められています。中学校を卒業して、高等学校へ行き、さらに大学へも進学できるということは、中国では非常に恵まれたことなのです。
日本ではごく普通のことかもしれませんが。。。