2008年09月16日

学期はじめの4人の自殺者

 私が日本に行っている間、上海では悲しい自殺事件が4件ありました。いずれも、9月1日〜2日の新学期に発生し、12歳から15歳の子供が飛び降りました。一人は、生命には別状はないものの、失明の可能性があり、もう一人は重傷、さらに一人は死亡したほか、もう一人はかろうじて命は取り留めたようです。

 上海人の子供たちも、今や大きな時代の変化の波に飲み込まれようとしています。いったいどういう原因だったのか、まだ定かではありません。しかし、上海の教育界では様々な方面から検討しています。

 その一つに、子供への過保護による自己中心主義の台頭。挫折したときに立ち直れない子供たちが増えているというのです。これは、一人っ子が多い今の上海ではとくに想像に難くない理由かもしれません。

 そして、テレビゲームによる影響もあり得るとしています。つまり、死んでしまっても復活するのではないかというような安易な発想が、死に対する意識を軽薄にしているというものです。

 一つ興味深い話が書かれていました。親の子供への教育で、親が子供に要求を突きつけ、これができなければ罰則、というようなケースは往々にして子供は極端な方向に進んでしまう傾向があるというのです。一方で、寛容な家庭で育った子供は、心情的にも穏やかな子供に育つ傾向にあると言います。

 また、子供に対して、勉強しか要求しない家庭も問題があり、往々にして家庭での責任感がない子供に育つようです。単一的な子供への期待は、子供をだめにすると言うことらしいです。むしろ、子供にたくさんの期待を与えることがよいのだとか。

 ここまで書いたとき、上海でみる中国人の家庭についていろいろ考えてしまいました。結構、スパルタ式に教育したり、勉強至上主義になっていたり、日本人の我々からするとびっくりするような家庭教育をかいま見ることがよくあります。幸い、私の妻の実家は、そうでもなかったようですが、教育ということについて無知な親が、結構多いような気がします。本屋に行っても、アメリカや日本でも有名な育児書類をあまり見かけませんし。

 私も、これから自分の子供を育てるときにどうあるべきなのか?こうした事件の報道を耳にするたびに、深く考えさせられるのでした。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類