現在、ロッキー山脈の観光地、Banffを目指してバスは走っています。
ルートは至って単純で、カナダハイウエイ1号線をひたすら走るのみ。
とりあえず、今晩は昔金鉱で栄えたというGoldenに宿泊しています。小さな、小さな片田舎ですが、スキーなどウインタースポーツのメッカで、日本からも多くの観光客が訪れるそうです。
私が今回参加しているツアーは、現地バンクーバーで華人向けに販売されているもの。ガイドは、もちろん広東語・普通語・英語を操る華僑で、参加者は私以外すべて中国系。
今回は、ご招待を受けているので仕方がないですが、それでもどこにいっても中国とは縁が切れない、私なのです。
中国系といっても、一概に言えるものではなく、オーストラリアなどからも来ている華僑もいるほか、Main Landからは、上海・広州・中山などなど各地からのメンバーです。
中国系ツアーによる海外旅行は今回が初めてですが、いろいろ興味深い。このうち、もっともびっくりしたのは、食事は3食ともに中華が選ばれている点。
海外旅行なのだから、その地元の料理でも楽しんだらいいのに、と思うのは日本人の発想のようで、海外でも中華料理でなくては!と考えている中国人が非常に多いのです。そもそも、ほかの国の料理を「おいしい」と認めない中華思想とも関係があるのかも。
だから、ホテルでも朝でさえカナダ式ではなく、おかゆや油条、饅頭などが出され、旅行会社も、おいしい中華料理を客に提供することがサービスと思ってるようです。どんなときでも我が道を行く中華民族ですね。
しかし、カナダのどんな小さな街でも、中華レストランがあることはすごいことだと思います。
バンクーバーからは、ハイウエイ1号線に添って、Kamloopで小休止。ここに、漢方薬でもある西洋参の生産基地があるのです。バンクーバーとバンフの間では、最も大きい街だそうです。
雨がほとんど降らない気候と乾燥した大地が西洋参にふさわしく、台湾企業が西洋参生産のために進出していました。乾燥した土地で育つ生薬なのに、効能は養陰の力が強いのです。乾燥した大地に育ったからこそ、潤う力が強いのかもしれません。
西洋参は人参のほどきつくありませんが、体を元気にしてくれるもので、よく中華スープなどにも使われています。
私も、妻から頼まれていて、バンクーバーでどっさりと買っています。中国人へのアメリカ・カナダ土産としては一番喜ばれますが、品質の善し悪しを見極める必要はあります。
しかし、総じて上海で売っているものよりも安くて大きく、質はいいです。ちなみに、「西洋参」が「花旗参」と呼ばれるのは、City Bank(花旗銀行)が昔、人参の生産に深く関わっていたことと関係があります。
そして、大西洋から来た線路と、太平洋からきた線路が結ばれたLast Spike Historic Siteを訪れた後、美しい山々を車窓に楽しみながら、宿泊地Goldenを目指しました。
Goldenに着いた頃は、すっかりと夜。太平洋標準時間からさらに1時間時計の針を早めます。
気温は、夜は一気に下がり、冬の装いが必要です。周りには、真っ白の山が見えたり、すっかり山岳の様子になりました。ここまでくると、さすがにバンクーバーでは今ひとつだった紅葉も、きれいな様子を見せ始めます。
いよいよ、明日はBANFFを目指します。