2008年10月26日

学歴

 妻の産婦人科入院手続きですこし不思議に思ったこと。

 それは、入院登録で「学歴」の記入欄があり、そこに「小学校・中学校・高校・大学・大学院・・・」と学歴をチェックするところがあるのです。それも妻だけでなく、私のも。

 実は、以前病棟で仕事をしていたとき、病院のカルテにも学歴を記入する欄があるのです。
 日本では履歴書に学歴は書いても、こうした書類に学歴を書くことはまずありません。

 でも、中国では自分の学歴を書かすところが非常に多い。

 考えてみれば、こうやって学歴を書かなければいけないのは、一種の格差社会を象徴する行為なのかもしれません。

 例えば、病院側も、相手がどの程度の学歴を持っているかで、患者への説明や対応を考えなければならないということか?

 でも、実際、中国でこれだけ格差があると、他人に対してどのように対応すべきが困ることも多いです。とくにサービス業などでは覿面でしょう。

 例えば、民工さん(出稼ぎ労働者の皆さん)が寝ることができる環境でも、私は熟睡できません。かれらがそれで当たり前と思っていることが、我々にとっては全く当たり前でなかったりする。

 そういうことが、中国では実に多くあります。

 産婦人科で出される食事もそう。さすがに、中国生活が長い私でも食べられなかった。上海人の妻もギブアップ。でも、それを美味しい、美味しいといって食べている人もいるわけで、一概に判断できないです。

 価値観の違いが多様化している中国の社会は、本当に難しいです。
 だから、せめて学歴を書かせて、わずかでも共通項を見つけ出そうとしているのでは?と一瞬思ってしまいました。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

上海も水の中か

 これから自分たちの人生設計を考えるときに、単なる仕事がしやすいとか経済的な理由を考える以外にも、生活環境面に関する影響も考える必要があるのではと最近つくづく感じています。

 日本に居た頃、当たり前のように恵まれた水・きれいな空気・美味しい食べ物に慣れてしまい、そのありがたさが上海に来て痛いほど分かるようになりました。
 子供の出産を目前に控え、そして世界経済がとんでもないことになっている現在、人間の生存する意義についてイヤ顔でも考えるようになりました。そうすると、結局、最後に残るのは生存環境なのでは?と考えています。

 地球温暖化を逆手にとって、これからは北方エリアが住みやすくなるという人もいます。日本で言えば、北海道など農地もたくさんあるし、今後温暖化で気候がもっと良くなるのでは、という考え方です。極端な話、ロシアなんて温暖化になった方が土地が有効に活用できていいのではないでしょうか。

 では、30年後の上海はどうなっているのでしょうか。

 2007年の『中国海平面公報』によると、上海市では毎年海面が3.8ミリ上昇しているようです。となると、30年後には1メートルの上昇です。

こういう風景が将来上海で頻発するのでは?


 上海の平均の海抜は1.8メートル〜3.5メートル程度。低いところだと0.91メートルしかありません。長江デルタエリアでも、海抜2メートルに達しないエリアが11000平方キロにも及びます。
 必然的に、30年後には水の中に沈んでしまう可能性は高くなります。沈まなくても、洪水と格闘しなければなりません。

 これは日本でも同じで、東京や大阪、神戸なども危ないそうです。

 もしそれが事実だとすると、とても上海という街には住んでいられない。少なくとも、いま都市といわれているエリアに20年、30年もローンを組んで住宅なんて安心して買うことができません。

 私も上海で都市生活を営みながら、実は密かに日本の田舎の物件を探し始めているのでした。いま最も脚光を浴びていないものこそが、将来きっと役に立つ。私はそう信じています。

posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類