では、どのようにして安全に問題のある野菜が中国で頻繁に発生するのか?
まず、考えられるのが効果を高めるために残留しやすい高濃度の農薬を使うというケースです。さらに、農民の間では農薬同士を混ぜてつかうということもよく行われているようです。生産コストの観点から考えると、明らかに農薬を使う方がラクで安くつくわけで、また消費者もきれいで美しい野菜が欲しいというニーズもあります。
その結果、収穫する日の午前中に農薬を散布して午後に出荷するというようなことも実際に行われているという話も耳にしました。
ところで、報道を見てみると、まだまだ中国では禁止されている農薬が使われているケースは多く、問題となったメタミドホスの関しても、野菜からの検出率は34.2%という数字が発表されています。とくに、中国北方ではニラ類、南方ではチンゲンサイやキュウリなどで農薬が多く検出されています。ニラに関しては、残留農薬が残りやすく、検出率80%というデータもありました。
一般的に、葉物で農薬の検出率が高く、瓜類は比較的マシだと言えます。また、季節や地方、気候によっても左右されます。そのため、日頃からこうした情報には敏感になっておく必要があります。当方のサイトでも、日本でとやかく言われるかなり前から、こうした情報に注目し取り上げていました。
さらに考えられるのが成長促進剤の使用です。こうした薬には一般に大きく2種類あるようです。一つは、雌花が咲いた後にすぐに花に塗る薬。こうすることにより、実が大きく確実に結実し、見てくれもよくなるそうです。さらに、無事結実したら、今度はさらに大きくなるように瓜のへたの部分に成長促進剤を塗るというのです。
そのほか、ジャガイモを大きくしたり、野菜の根っこや葉を大きくしたりするような薬も使われているようです。
そのため、トマト・キュウリ・茄子などへは要注意と書かれていました。農家は、もちろんこうした農作物は口にしませんが、最近都会で増えている早熟などの子供たちは、こうした食品と関係があるという説もあります。
化学肥料と呼ばれている窒素系の肥料を大量に使うと、今度は野菜に含まれる硝酸塩の濃度が高まり、これが人体にはいって亜硝酸塩となり、ヘモグロビンと反応して酸欠状態になります。
その結果、癌や子供の奇形、突然変異などを引き起こす可能性があると言われています。
例えば、もやしに尿素を加えると、もやしのヒゲが短くなり、硫酸ナトリウムを使うと、色が白くなります。そうした細工がいまだに行われているのです。もちろん、こうした物質は長く摂取すると癌を誘発する可能性もあるわけです。
食べ物の問題。本当に厄介です。
原料となる野菜ですらそういう状態です。加工食品となると、今度はさらに着色料や保存料など様々な化学物質が使われることになります。お総菜や加工食品の食品添加物ラベルを見るのが怖いぐらいです。
ラクする生活が如何にリスキーか。そのツケがいま我々の身の上に降りかかっているのかもしれません。食事もしっかりと自分で作る、外食に頼らない。そうした基本的なことが自分の身を守ることになるわけです。