この日、予防接種を地元の病院で受けにいきました。一つは、ポリオ(急性灰白髄炎・中国語で脊灰炎)ワクチンです。
ご存じのように、ポリオワクチンには、経口生ポリオワクチンであるOPVと不活化ポリオワクチンIPVの2種類の方法があります。中国の場合、OPV方式が使われていて、中国語でよくOPVのことを「糖丸を食べさせる」といいますが、まさにこの経口によるワクチンのことです。
ちなみに日本でもOPVが主流で、欧米ではIPVが多く、どちらがいいのかいろいろ説があるようですが、OPVの場合、生ワクチンでの接種のため、ワクチン関連マヒなどの問題が取り上げられていますが、これだけは病気予防の問題とも絡んできてその判断は非常に難しいです。
そのほか、自費となりますがヘモフィルス属インフルエンザb型菌、略称ヒブ(Hib)の予防接種もしました。中国語ではb型流感嗜血杆菌结合疫苗といいます。中国の場合、この予防接種の費用が1回130元前後ですが、日本では1回で1万円前後するそうです。ワクチンは、国産と輸入品とで選択できます。国産のほうは、価格が10分の1程度で済むのですが、一般的に親は輸入ワクチンを選択することが多いようです。なぜかは、皆さんがお察しの通りです。
実は、てっきり日本では昔から行われていたと思っていたこのヒブの予防接種ですが、なんと有償でこのワクチンが行われるようになったのは2008年から??
世界有数の医療が進歩している国でありながら、まだこのヒブの予防接種が最近まで行われていなかったことに非常にびっくりしました。
予防接種で確実に防ぐことのできる疾患の一つなので、中国が早くから対応していることにはさすがです。ただ、親がそのことについて知識があるかは別ですが。。。でも、これで後遺症が出たり、命を落とす子どもが少しでも減るのなら、非常に大切な判断です。
ちなみに、これに感染すると、髄膜炎や敗血症など命に関わる場合もあり、さらに20%の確率で重い後遺症になるとも言われています。風邪のような症状だったのが、急変して命を落とす症例も少なくないのです。
ちなみに、このヒブの正式名称には、「インフルエンザ」という言葉がはいっていますが、実はインフルエンザとは関係がありません。
そのほか、自己責任の国、中国だけに、いろいろ参考できることがあります。
たとえば、予防接種を受けたとき、ワクチンに添付されている正式の説明書をもらうことができます。ここには、ウイルスの用途、副作用、注意事項、ワクチンメーカーなどが中国の法律にのっとった表記法で記載されています。
また、ワクチンの箱ももらえることがあります。このワクチンを接種したことを、親にしっかりと知ってもらうためです。上海では、ローカル病院でうけたインフルエンザワクチンでも同じように対応してくれます。