2008年12月05日

社員教育のトレーニングを受ける

 こう上海に長くいると、いろいろな知り合いができるもので、今日は社員教育のトレーニングについて、私自身がトレーニングを受けてきました。

 会社経営というのは、当然一人でできるわけではなく、社員たちと一丸となってやらなければなりません。しかし、その意識の持ち方は社員一人一人違うわけで、そうしたスキルを勉強したく、参加してみました。これがなかなか興味深い。

 講師の先生は、これまた偶然にも知り合ったアメリカ籍華人で、Alex Tsengさん。クリントン元大統領の私的顧問で、マイクロソフト・アジア太平洋地区の法律顧問などなど、私とはほど遠い肩書きの持ち主ですが、極めて気さくな方で、ユニークな話術にぐんぐん引き込まれていきました。年齢は若干48歳。

 インターネット屋にしろ、医療にしろ、サービス業には変わらないわけで、人との接点が大切です。だけど、他人が相手であるだけに、いったいどういう基準でサービスをするべきなのか、とまどうことが多いのが現実です。

 彼は、「標準(スタンダード)」について口酸っぱく話をしていました。人それぞれによって違う「標準」だけど、それに甘んじてしまうのではなく、毎日クリアすべき課題を「明確」に自分に課して仕事をしなければならないということだそうです。

 さらに、中国語でよく使う「できる限り(尽量)」というニュアンスの言葉は、サービス分野で使ってはならないといいました。 そうなんですよね。「尽量」や「应该」といった一見「できそう」に思えて「できない」逃げ道を残す言葉を使う人が多いのもまた事実です。

 あと「余計な理由をつけない」というのも大切。特に失敗したときは要注意。理由をいくら並べても、失敗したことには変わらないのですから、そのことをとやかく言うのはもうダメです。「交通渋滞したから遅れた」というのも失格です。

 そして、忙しい人の時間の使い方。これは非常に納得しました。時間を切り刻んで使うというスキル。則ち、まとめて時間をとってなにかをしようとするのではなく、いつでもどこでも仕事ができる体制にしておくこと。これが、マルチ人間として成功する秘訣だというのです。

 

 そのほか、様々なゲームを通じて、会社が抱えている問題を分析する方法や、個人のスキルを高める方法など、かなり参考になることがありました。

 自分の会社運営にも役立てたいとも居ます。

 それと、Alex Tsengさんがいう「時計」の重要性も納得しました。私も、携帯電話が便利でも、腕時計をするようにしています。

 携帯電話の時計に頼らず、きっちりと腕時計をすることで、時間的概念がしっかりとするということです。
 時間がそのまま経済など金銭と関わってくる現在の社会で、腕時計すら持っていないというのは、その地点で「君は仕事をする気がない」というぐらい、厳しい指摘を受けていました。

 そして、遅れてくることは、相手に対しての最大の非礼であり、相手の限りある時間を浪費した責任はどう償っても償いきれないということです。

 こういったトレーニングを受けるのは生まれて初めて。私も、いろいろプレゼンを中国語でしましたが、なぜか「2万人に1人しかいない回答だ!」と中国人の中でえらく褒められました。思ったことをそのままやっただけなのですが。。。

 まあ、企業がこうしたことにお金をかける理由がよく分かります。ちなみに、この先生にお願いした場合、2回のトレーニングで40万元もかかるそうです。これにもびっくり。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類