ところで、上海児科医学研究所などが上海人のお母さんの母乳を調べると、ナトリウムの含有量が基準値の倍以上となっていることが明らかにされました。
調査対象となったのは、健康でかつ偏食の習慣がなく、母乳の量が十分のお母さんです。
それによると、ナトリウムの含有量が大幅に多い一方で、意外だったのは脂肪やカルシウム、DHAの含有量が基準値以下であったということです。
ナトリウムに関しては、基準値は9.81mg/100gであるのに対して、上海のお母さんの母乳のナトリウム含有量は、平均値で23.2mg/100gにもなりました。
さらに、普通の日常生活では、海産物をほとんど食べない上海人ですので、母乳に含まれるDHAの量が少なかったのをはじめ、子供の発育に必要なカルシウムや脂肪の含有量が基準値よりも少なかったのも問題となっていました。
一方で、比較調査した浙江省舟山諸島のお母さんではDHAの量は比較的高レベルだったようです。舟山諸島では、海産物が豊富ですので、納得できます。上海人の食文化からも、なるべく魚を食べるように心がけなければなりませんが、特に汚染の少ない小さい魚を接種することが大切です。
でも、上海には安くておいしい魚がすくなのです。泥臭い淡水魚は、私もあまり食が進みません。
母乳のナトリウムの量が多かったのは、おそらく上海人の飲食で、塩分の摂取量が多いのと関係があるものとみられています。ただ、現在は、加工品を食べるチャンスが多いため、そうしたものに含まれるナトリウムも影響しているのではないでしょうか?
子供の腎臓の立場からすると、当然ナトリウムの過剰摂取は負担をかけるため思わしくありません。
この研究チームでは、引き続き上海人の母乳の汚染状態について調べていくそうです。