2008年12月21日

中医学、三九貼の季節になりました

 今日は冬至です。

 冬至の夜間外出はだめですよ〜!中国では夜に鬼が出ると言われます。

 そもそも、冬至は、中国伝統医学(中医学)にとっても非常に大切な意味合いがあります。中医師によって処方された「膏方」を服用しはじめたり、また三九貼もこの時期に行います。うちの中医クリニックも忙しくなります。

 三九貼はあまり聞き慣れないことかもしれませんが、中医学では夏の暑い時期の三伏貼と、この冬至を境にした三九貼はそれぞれ夏と冬の疾患の予防の意味で、重要です。中医学がよく「未病を治す」とかいいますが、こうした季節ごとの治療がその特色ともいえるでしょう。

 冬場の三九貼は、上海エリアではあまり見かけませんが、台湾や福建省ではいまでも色濃く残っている伝統です。冬至を起点に、9日間×3クールを三九の期間といいます。
 

 どういう疾患に効果があるかというと、一般に三九貼は中医学でいう寒邪と関係があるものの予防に有効です。例えば西洋医学の病名で言えば、気管支喘息や慢性気管支炎、アレルギー性鼻炎の予防、風邪を引きやすい虚弱体質などの場合です。中国人の場合、子どもに貼ることが多いですが、もちろん大人でも大丈夫です。例えば、胃痛や生理痛などにも煎じ服用薬と併用しながら治療します。

 膏薬は、主に血の巡りをよくする生薬4〜5種類ほどつかってペースト状にして、疾患に関係する経穴(ツボ)に貼ります。1回約3時間〜4時間程度張り、これを2日に1度、うちのクリニックでは合計10回この時期に行います。

 においも殆どありませんし、貼ったところはほんわか暖かい感じがします。

 ただし、一部薬物アレルギーのある人や、経穴付近をけがしている場合は貼れませんので、注意が必要です。

 私も、今日の日曜診察の帰り、同僚の医師に貼ってもらいました。「大椎穴」のツボですが、首のあたりが暖かく感じられ気持ちいいです。

 中医学では、中国人の生活文化に深く根付いた習慣が、今でも残されています。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類