2009年01月28日

(リバイバル)我が家の民工さん

2005年1月16日

 私も上海が長いですが、正直いって今回ほど一般に「民工」と呼ばれる出稼ぎ労働者の人たちと親しく付き合ったことはありません。食事も一緒にしましたし、夜までいろいろ語り合ったこともありました。

 結果的に彼らからは本当にいろいろなことを学びました。中国流というものも知りました。たしかに文化の違いから起こる問題はありますが、純朴でどの業者もよく仕事をしてくれました。1日15時間以上は仕事をしています。とにかく大工さんとはしっかりと意思疎通をすることです。これで大抵のトラブルは防げるはずです。私もたまに彼らの晩御飯のおかずにと差し入れもしました。
 

左はペンキ屋さん、右は大工さん


 うちの棟梁である郭さんは、浙江省出身ですが、そのパートナーの石さんとは親戚関係で、さらにペンキ屋とも同じ村の近所仲間であることは以前に書いたとおりです。いずれも中学校を卒業したあとに、建築の世界に入って、上海に出稼ぎに来たそうです。数十年のキャリアがあることは、使い込まれたカンナなどをいるとよくわかります。地下鉄でカンナとノコギリをもっている民工をみたら、おそらくその大部分は大工さんでしょう。かれらはこれにちょっとした日用品の入った麻袋をもって大上海を自在に移動して内装の仕事を請け負います。営業活動に使うのは携帯電話だけ。

 それでも、内装依頼が殺到し、2ヶ月前には予約が必要とか。祖父・親子3代にわたって内装工事をした家庭もあるといっていました。彼らは春節までにあと2軒の内装を仕上げないといけないそうです。噂と紹介だけで仕事が成り立っているということで、さすが中国の人間ネットワークだと思いました。そういう私も中国人の友達の紹介で彼らをしりました。


上海では、大工に直接内装工事をお願いする場合が多いので、たいてい各家庭に親しい大工がいて、竣工後もトラブルがあれば大工と連絡を取り合っているようです。いわゆる「ホーム・大工」です。

 うち郭さんは春節以外は殆ど現場で寝起き。もちろん上海に自分の帰る部屋はありません。たまに仕事の合間をみてバスで4時間かけて浙江省の田舎へ帰るそうですが、それも2,3日だけ。奥さんはきっと寂しい思いをしていることでしょう。子供にはしっかりと教育をつけたいと、念願の大学に進学させました。専攻は経済学だとか。そのためにもしっかりと稼がないと、と言っていました。

【今振り返ってみると】
 人の縁とは不思議なもので、上海浦東で歩いていると、郭さんにばったり出会ったことがありました。話をすると、まだ元気に大工仕事を続けているそうです。彼らは考えてみれば出稼ぎ第一世代にあたる人たちですね。まだ上海に根ざすつもりはなく、農繁期になると田舎に戻りますが、これからもう農業をせずに都会に残る世代も増えてきています。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2009年01月27日

インフルエンザ、予防接種率が非常に低い中国

 中国各地で鳥インフルエンザによる死者が報告されています。日本では企業単位でいろいろなリスク対策を行っているところが多いですが、残念ながら上海ではまだ十分とは言えません。上海市民の間でも、意識がまだまだ低いことが気になっています。市場や路上での活きた家禽類の売買もまだ行われています。安全とは言われていますが、リスクがゼロとは言えません。
 さらに、予防接種への意識が低いことも、インフルエンザへの意識の低さと少なからず関係があると思います。

 上海でも12月〜3月ぐらいにかけてインフルエンザなどが毎年流行します。そのために、9月〜11月にかけてインフルエンザの予防接種を受けるようにPRはしているのですが、実際にはほとんど実行されていないのが現実です。もちろん、インフルエンザの予防接種が有効か否かは議論されていますが、ただ子供や高齢者など感染リスクが高く、重篤に成りやすい場合には、接種は検討されるべきだとは思います。

 中国衛生部でも、6ヶ月以上の子供、高齢者、慢性疾患者、虚弱体質の人に関しては、医師の指導の下、接種を勧めています。 また、医療関係者や小学生、幼稚園児なども接種すべきだとしています。

 しかし、現実には中国のインフルエンザ予防接種率は1%未満といわれています。これは、人口の四分の一ほどがインフルエンザ予防接種をするアメリカなどの国と比較しても少なすぎます。

 中国国産のインフルエンザワクチンは年間1000万人分、このうち上海では250万人分が製造されています。(上海生物製品研究所調べ)これに輸入ワクチンの数を足しても、まだまだ数が足りていないのは事実です。

 インフルエンザウイルスは、タミフルなどの薬がありますが、まだ万能ではありません。もちろん、中医学の生薬なども効果は確認されてはいるものの、残念ながらまだ第一線ではあまり認知されていません。

 インフルエンザの予防は、まず中国人一人一人にその重大性を認識してもらい、生活や衛生状態を改善し、まさにあのSARSの時の教訓を再び思い出してもらう必要があるのです。

 

posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

(リバイバル)照明器具の購入

2005年1月12日
 
 いよいよ大詰めになり、今日から照明器具の取り付け、スイッチやコンセントの取り付け作業に入っています。照明器具は私も実にいろいろなところへ見に行きました。浦東では東方路や恒大市場などでまとまって照明器具を見ることができます。値段は日本より「かなり」安いです。正直言って一桁違うぐらいの差があります。日本の照明器具はなぜあれほど高いのでしょうか…。上海体育館にあるIKEAなどにもいろいろと参考になるインテリア・モデルがあり、見に行きました。

上海の電球の主流は「節能灯」と呼ばれる蛍光灯タイプが主流。電球が長持ちで、同じ明るさで電気代大幅節約となれば少々高くても、やはり選んでしまいます。光の色もいろいろあり、私は白熱灯色のものにほぼ統一しました。一応、モチーフは「木の家」なので、暖かい雰囲気を演出できたらと思って選びました。中国語では私のようなデザインの部屋を「郷村型」インテリアと呼ぶそうです。


玄関エントランス部分


 照明器具の殆どは広州・深セン製で、これは驚きました。上海製の照明器具はほとんどなく、さすが製造業のメッカ広東省だと実感します。話がかわりますが、上海の照明市場でも、福建人が大きなウエイトを占めていることを発見しました。

 そういえば、大理石を運んできた業者も福建人、台所の戸棚の戸を作った業者も福建人。木材市場の老板も福建人。大工は浙江省出身者が多いようですが、建材関係では福建人が上海でかなり幅を利かせています。ちなみに安徽省からの出稼ぎ者は、飲食業やサービス業に多いとか。上海人にはまず出会いません。

和室に使った照明


【いま振り返ってみると】
 照明での失敗談ですが、華南のある照明メーカーのものを一部使ったのですが、これがくせ者で、電球がそこのメーカー専用のモノしか使えなかったのです。そのためにわざわざホームセンターに行く必要があり、すこし不便しています。
 東方路の照明市場も、この金融不況で姿を消しつつあります。建材系の市場は、それなりに大変なようです。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類