中医学での処方は、500種類ほどの生薬から、その患者さんにぴったりの組み合わせを選んでくるので、ある意味パズルのように見られますが、実はそうではなく、ちゃんとした法則の下で組み立てられています。
『傷寒論』など有名な経典と呼ばれる医学書には、そうした組み合わせが紹介されていて、現在まで脈々と受け継がれています。
では、それぞれの生薬の効能をしれば、処方が組めるのか?といえば、決してそうではなく、生薬の効能+相互関係で初めて効果ある処方が組めるようになります。そして、その基礎が、古人たちが現在にまで語り継がれてきた処方なのです。あの有名な葛根湯などもその部類です。
ところが、ある程度のレベルになってくると、そうした古典処方を無視して、自分勝手に組み合わせてくる医師も出てきます。私はそれはいいとは思いません。私の師匠も、「勝手に組み合わせた処方ばかり自分で作っていると、名医にはなれない」とよく言っていました。基礎に忠実になってこそ、大きく飛躍できるといつも言われました。
つまり、生薬の組み合わせというのは、単なるパズルではなく、かなり厳密なものなのです。
厳密に考えられて組み立てられた処方は、生薬の種類も量も適当で、見ていても大変美しい。そして、効能もしっかりと発揮されるのです。
中医学の名医たちが織りなす処方というのは、本当にバランスがとれていて気持ちいいものです。ちょうど、数学の問題を解くときに、如何にくっきり・はっきりした思考でやったのかが答案用紙を見ればすぐに分かるのと同じような発想です。
そんな処方には、俗にいう「秘密の処方(秘方)」はありません。
私も、自分の患者さんには極力、生薬の処方の中身をわかりやすく説明するように心がけています。中医学が神秘的なものではなく、ちゃんと理論だって形成されていることを知っていただきたいからです。
さらに、人の体は、ロボットと違ってまるっきり一緒と言うことはありません。だから、同じような処方ができてくるはずがないのです。百人いれば、百通りの処方が出てくるわけです。
頭の中でいろいろアイデアを巡らせながら誕生してくる処方の数々。そこから、その患者さんにぴったりの処方を組み立てる。これこそが、中医学で治療する醍醐味だと思います。
2009年01月14日
基礎に忠実にありたい
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類
印刷機の故障
私は毎朝7時頃、上海で5つの新聞を買っているのですが、今日はこのうち2つの新聞がありませんでした。こういうのは非常に珍しい。
上海では、8時頃になると新聞が売り切れるので、遅くても7時半には新聞を買う必要があるのですが、今日は7時にはありませんでした。
変だなあ、と思って事情を聞いてみたらなんと印刷機の故障。
まさか新聞2社の印刷機が故障して印刷ができなくなるなんて、そんなことが本当にあるのですね。
まあ、ないものは仕方がない。それでも世の中は動いていく。中国らしいというか。。。
ちなみに、『青年報』がついに値上げしました。今までの0.5元から0.8元に。さらに、すぐに1元にするようです。
上海では、8時頃になると新聞が売り切れるので、遅くても7時半には新聞を買う必要があるのですが、今日は7時にはありませんでした。
変だなあ、と思って事情を聞いてみたらなんと印刷機の故障。
まさか新聞2社の印刷機が故障して印刷ができなくなるなんて、そんなことが本当にあるのですね。
まあ、ないものは仕方がない。それでも世の中は動いていく。中国らしいというか。。。
ちなみに、『青年報』がついに値上げしました。今までの0.5元から0.8元に。さらに、すぐに1元にするようです。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類