2009年02月03日

介護する人が足りない!

 私も、一応、医療関係者の端くれなので、よく中国での介護の実情について聞かれることがあります。中国は人口が多いので、看護師や介護士が余っているのでは?というイメージを持たれる日本人が多いのですが、とんでもない。

 これだけ人口がいても、看護師や介護士は極めて不足しているのが現実です。もちろん、上海も然りです。

 以前、病棟に勤務していたときも、確かに人数はいるのですが、辞める人が多く、なかなか定着しないという現実をめのあたりにしました。でも、妻が出産で入院したときも、彼女たちの活躍には頭が下がる思いです。

 介護の現場での劣悪な労働環境と低い賃金の問題は、中国では特に深刻で、下手したら10年後にはそういった人材がいなくなるのでは?という予想も出されています。

 中国農工党の調査では、上海市内で介護士として患者の介護に当たっている「護工」と呼ばれるアイさんたちの数はのべ1万人。その95%が農村からの出稼ぎの人たちです。平均年齢は40歳〜50歳。学歴は小学以下。また、1人の護工が世話する患者の数は3人程度ということです。そんななかで、介護をするために知識を十分に身につけることなく、現場にでて働いています。

 さらに問題なのは、彼女たちへの給料です。看護師よりも下に位置づけされているという点もありますが、そもそも給与体制が80年代のままという現実。そのため、患者が病院に納める看護費1日30元の中から、満足な給与を支払うことは非常に難しいのです。

 また、人手不足のため、仕事となるとほぼ24時間体制。非常に過酷な職場環境となっています。もちろん、出稼ぎ労働者が多いため、社会保険に入っている人も殆どいない。また、住むところも十分に確保されているわけではなく、この住宅費の高い上海でどのように暮らしていくのか、不思議でなりません。

 彼女たちはそんな中で病人の介護の仕事をしているわけで、頭が下がります。

 中国の病院は、確かにインフラなどが整備されてきていますが、上海ですらこのような現状ですから、地方となるともっとひどいでしょう。

 そんなわけで、日本などに出てきて日本人の看護を手伝ってもらえないか、というような発想はまず難しいのではないでしょうか。
 それよりもむしろ、日本で日本人介護士が満足に働ける環境をつくり、魅力ある職場にすることが大切だと思われます。まずは自分たちでなんとかする。それが基本だと思うのです。日本人がやりたくないから外国人にやらせるというのはもってのほかです。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

自動改札機

 上海の自動改札機で、人がたくさん並んでいるときはいいのですが、私のようにラッシュ時を避けて早朝に自動改札機を利用するとき、改札機にだれも人が並んでいないことがよくあります。

 となると、どの改札機でも自由に選べるのですが、この改札機があまりにも「箱」の形をしているので、左右が時々分からなくなるのです。

 これが結構くせ者。

 右手に交通カードをもってカードをかざすときは、ちゃんと右側の自動改札機のセンサーにかざすことができるのですが、右手に荷物を持っていたりして、不意に左手に交通カードをもって左側の自動改札機のセンサーにかざしてしまうと、当たり前ですが、通ろうとする自動改札機は反応しません。

 で、思いっきり足を回転バーにぶつけてしまって、痛い思いをしたことが少なからずあります。この上海の改札機は、左利きの人には全く使いにくいのです。

 まあ、時には右側のセンサーにしっかりと交通カードをかざしているのに、バーがスムーズに回ってくれないこともあります。これで太ももをぶつけたことも。。。

 広州とか日本が採用している扉式の自動改札機がやはり便利ですね。大きな荷物を持っていても、スムーズに通り抜けできますからね。

 まあ、究極はカナダのバンクーバーのように、改札機すらないというのがいいのかもしれませんが。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類