2009年02月11日

建国記念の日

 2月11日といえば、「建国記念の日」で日本はお休みなのですが、もちろん上海ではそんな実感は微塵もありません。

 でも、日本の新聞をネットで見ても、「建国記念の日」であることが全く実感されません。同じ「建国」という言葉でも、中国で国慶節を経験してしまうと、その言葉の重さの違いは歴然としていますね。

 建国記念の日とはそもそも、「建国をしのび、国を愛する心を養う」と規定されています。日本人である以上、「国を愛する心」というのはやっぱり大切なのだろうけど、それが具体的にどういうことなのか分かる人は非常に少ないと思います。

 建国記念の日というのは、なんと『日本書紀』にある神武天皇が即位したとされる日、つまり紀元節(辛酉年春正月、庚辰朔)に由来しているというのもすごい気の遠くなる話です。そういうことを本当に知っている人も、いまやほとんど居なくなっているのではないでしょか。

 そういう私も、中国にきてから「愛国」ということの意味の大きさを知りました。もちろん、国情が日本とは違うにしろ、中国人はみんな国歌を歌えるし、国旗も非常に大切にします。

 お恥ずかしいながら、私は日本での高校までの期間中、一度も国歌を歌うチャンスがありませんでした。もちろん、最後まで歌ったこともありません。むしろ、中国で生活するようになって中国の国歌を聴くチャンスの方が圧倒的に多いです。それほど、中国では国歌が登場しますし、妻なんかもスラスラ暗記しています。

 そのくせに、私は小学校や中学校、高校の校歌なんかはテストで出されたりして、今でも口ずさむことができます。ああ、小さい頃カナダの幼稚園で覚えたカナダの国歌も、「オー、キャーナダー」なんかもフレーズが出てきますね。

 いや、愛国という立場からすると、こういったことは非常に形式的なことかもしれません。

 でも、こうやって海外から見てみると、日本の政治が迷走し、雇用情勢の悪化で社会が混乱している昨今、イデオロギー的なものが、改めて世間が求め始めているのではないかと気にはなっています。

 3月の第1週に私は1週間ほど日本に戻りますが、金融危機以降初めての日本帰国ですので、昨今のNHKスペシャルで報道されたような現状が本当にあるのか、私はじっくり見つめてみたいと思っています。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

いい水を飲みたい

 上海は確かに便利で、物価もそこそこ安いので暮らしやすいといえば暮らしやすいです。でも、ことに水と空気に関しては、どうしようもありません。そのため、将来私が住むとすれば、この水と空気さえよければ。。。といつも思ってしまいます。

 最近、食の安全や健康について講演を頼まれることが多いので、私自身もいろいろ調べたのですが、すこし中国の水道水について書いてみます。私も腎臓病を専門に研究していましたから、やはり水に関してはすこしこだわりを持っています。

 中国では国家環境保全基準という規定で、水質を5つのランクに分類しています。中国の新聞などでよく水質T類とかX類とか書かれていますが、これは一般に数字が増えれば増えるほど水質が悪いことになります。

 ちなみに、T類〜U類では飲用水の水源として使える水となります。それが、V類〜W類となると、飲用水の水源として使えず、農業用灌漑の水となります。さらにX類〜劣X類となれば、灌漑ですら使えません。

 

日本の用水路の水です


 では、上海エリアの水はどういう状態かというと、現地での報道をいろいろ調べてみると、U類ランクの水は全体の0.1%、V類ランクでも0.9%、あとはすべてW類以上のランクだといわれています。

 中国精華大学の研究でも、2008年の上海市14カ所の水源の水を調査したところ、合格率は50%に過ぎなかったというのです。

 上海ですらそういう状態ですから、地方がどうであるかは容易に想像がつきます。中国国内の淡水の97%はすでに汚染されていると言われても、そう不思議なことではりません。

 おっと、時間になりました。続きはまた後日。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類