2009年02月18日

長寿都市、上海

 上海市衛生局が、2008年の上海市市民(上海戸籍)の平均余命が81.28歳になり、2007年と比較するとまた0.2歳平均余病が伸びたと発表しました。このうち男性の場合は79.06歳、女性の場合は83.50歳であり、この数字をみると先進国に匹敵する水準にまでになっています。

 なんだ、これだけ環境問題が言われていても人間は長生きできるんだ、と思ってしまうかもしれませんが、中国の場合、こうした高齢者の世代は、貧しかった時代を生き抜いてきた人たちばかりで、日本で言うと一昔前の世代に相当するといえます。

 今の世代は、とくにサラリーマンを中心に働き盛りを中心に過労死や成人病の問題が深刻化しており、極めて楽観視できない現状です。

 また、この中には出稼ぎ労働者など上海に戸籍を持っていない人は含まれていません。

 同じように、上海市の新生児死亡率も発表されています。上海市民の新生児死亡率は1000分の2.96であるのに対して、上海市全体(戸籍を持たないひとも含む)の新生児死亡率は5.61%を数字が倍に増えます。

公園で歌を歌うリタイヤした上海市民


 地方から来ている人の上海における出産は、経済的にも保険や給付金の適用が難しく、また医療事情がよくわからず、非常に危険な状態で出産を迎えているケースが数々報道されています。また、上海戸籍を持たない人たちの多くが、医療施設が不十分な上海市郊外に生活しているというのも関係あるかと思います。

 上海市も、中心部だけでなく郊外でも公平な医療サービスが受けられるよう、基本医療の充実をはかるとしています。これからの対策に期待がかかります。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類