2009年04月25日

グリンピースの農薬調査

 中国の野菜・果物の農薬問題は、在中日本人にとって非常に頭の痛い問題で、私自身もいろいろ気をつけています。
 私のとこに来られる患者さんとも、この問題はいつも情報交換していますが、でも実体がわかりにくいのが現状です。
 
 第三者機関が調査をしてデータを公表することも難しいのですが、でもたまに報道が出てくることがあります。『健康時報』からの報道ですが、あの国際組織グリンピースが行った北京・上海・広州の農薬調査の結果が公に記事として出ています。非常に珍しいケースなので、このブログにもメモしておきます。

 調査方法は、グリンピースが2008年12月と2009年2月に1家三人が1日に食べる野菜と果物を現地で調達しました。内訳は、白菜・ほうれん草・ゴーヤ・キュウリ・トマト・イチゴ・豆角・ミカン類などとなっています。それぞれ1キロ分購入しました。

 広州では15のサンプルのうち、5サンプルを自由市場から、10サンプルを大手の華潤万家スーパーから調達、上海では5サンプルをLotus、5サンプルを農工商スーパー、5サンプルを自由市場から、そして北京では10サンプルをウオルマートの宣武門店、5サンプルを同昌平店から購入しました。

上海郊外のベジタベさんの農園


 そして、検査は青島の全く独立した第三者の中国国家認定認定検査機構に依頼し、調査しました。そこ結果、全部で45サンプルのうち、40サンプルで合計50種類の農薬が発見され、25サンプルで少なくとも5種類、5サンプルで10種類以上の残留農薬が確認されたそうです。このうち、北京のウオルマートで買ったイチゴと、広州の華潤万スーパーのキュウリでもそれぞれ13種類の残留農薬が確認されました。

 ここで、私の認識とすこし違うデータが公表されています。すなわち、スーパーで買う野菜より、自由市場で買う野菜のほうが残留農薬が少ないというのです。

 広州の華潤万家スーパーの場合、購入した10種類の野菜の残留農薬検出率は100%、その中には中国国家が禁止している農薬も2種類見つかったのに、同じ広州市内の越秀区で売られていた野菜・果物の農薬検出率は60%だったそうです。

 なるほど、それで私の義母の買い物パターンが分かりました。私の義母は、肉以外はスーパーで野菜をまず買いません。自由市場にいって、しかも知り合いの農民を見つけて、直接販売してもらっているのです。昔からスーパーの野菜はよくない、と決めつけている行為かとも思っていたのですが、実際にそうだったのかもしれません。

 こうしたグリンピースからの報告をうけて、これら大手スーパーではかなり動揺しているようですが、店内の宣伝では、「残留農薬の検疫をやっている」と堂々と書いているところが多いだけに、信用性が疑われます。

 ただです。上海については???
 なぜかこの報道にありません。結果がどうだったのか気になりますね。

 ちなみに、農薬などの化学物質を追い出すために、ミニトマトやニンジンなど色の濃い野菜を摂取し、葉物を食べるときは30分以上水に浸けて、短時間でも熱水に浸すだけでも農薬表面の一部の農薬は除去することができます。

 国際都市上海だけに、私の周りでも自己防衛をしている人が多いです。
 たとえばうちのクリニックの院長(台湾人)は、上海郊外の農家の土地を借り上げて、現地農民に自分の求める野菜類を栽培させています。ものすごい量の収穫があることがあり、食べきれなくて困っているそうですが。。。。

 うちも、南匯が近いので、知り合いの農家を探してみるか。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2009年04月24日

娘がいない生活

 実は、外泊練習もかねて、いま娘と妻は実家に帰っているのですが、この機会を利用して夜はいろいろな人に会っています。

 昨夜はこれからコンサルを始めようと考えている上海人の若き女性と会食。彼女は、私が上海師範大学で語学留学をしていたとき知り合った仲間の一人で、私の日本語教え子でもあります。今や誰もが知っている大手日系企業に勤めるバリバリのキャリアウーマン。
 その当時から、ものすごく活発な大学生だったのですが、いまも相変わらずで、現在堪能な日本語とコンサルの経験を活かして起業準備中。

 彼女はもともと、お客さんを沢山抱えての独立なので、その点は私もあまり心配していないのですが、私の周りで最近若くして独立する人が多く、行く末が楽しみです。
 私にとっても、よろず相談相手が増えるわけで、今後、何らかの形でコラボができるのではないかと盛り上がりました。
 

 しかし、いつも当たり前のようにはしゃいでいる娘がいないと、やはり変な感じです。何より、夜家に戻って自宅が真っ暗というのは精神衛生上よくないですね。

 共働きの子供なんかからすると当たり前なのでしょうが、でも家に誰かが居て帰りを待ってくれているということは非常に大切なことのような気がします。

 独身の時は当たり前だったのですが、ここ数年、家に戻ると妻が居てくれていたわけですし、私のよき相談相手がいないのも寂しいものです。

 妻と娘は今日帰ってきます。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

生薬:カイコ

 娘が帰ってきて、なんか一回り成長したような気がします。(笑)たった3日間でしたが、妻の実家へ外泊して帰ってきました。我が家もいつもの賑やかさが復活です。

 さて、今晩もなにか生薬をご紹介しようと思い、標本箱をみてみました。

 先日はをご紹介したので、桑と言えばカイコ。ということで、生薬で使うカイコをご紹介します。

 このカイコ、中医学・漢方では白僵蚕と呼びます。これもタダのカイコではありません。白きょう蚕菌に感染して死んでしまったカイコが生薬に使われます。

 生薬としてのカイコの作用は、なんと言っても「風」を取ることにつきると思います。
 外からの風となる風邪の治療にも使え、風邪が原因の喉の痛みや頑固な頭痛に私も時々処方します。体の中から発生する風では、中風もその一つですが、中風による後遺症の治療にも使います。顔面の筋肉がピクピクしたりするのも、体内の風が原因だと中医学では解説しますが、そんなときにこのカイコを使うのです。

 あまり知られていないかもしれませんが、アトピー性皮膚炎などの皮膚のかゆみも、この風と関係があるのですが、あまり強くはありませんがそうしたかゆみの原因となる風に対しても効果を発揮します。

 私はまだ経験はありませんが、医学書をみてみると、高熱による痙攣、いわゆる熱性けいれんの治療にも使われたことがあるようです。

 私の標本にはありませんが、カイコの糞も大切な生薬であったりします。

 中医学は昔の人の生活の知恵でもあるわけですから、身近なものほど生薬になりやすそうですね。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類