交渉が始まってかれこれ1年ぐらい立つのですが、話はほとんど進んでおりません。向こうも急がなければ、こちらも急がないというスローペースですが、なんせ交渉期間中に、妻は私と結婚し、さらに子供まで生まれてしまっているので、話がどんどんややこしくなってきています。また、妻は日本人(つまり私)と結婚しているので、もっと複雑な話になっているようです。
それはともかく、例えば上海万博程度のビッグプロジェクトになると、世界からの目が集まってくるわけですから、立ち退き住宅に関しても注目度が高いのが事実です。それを上手に利用したのが、いわゆる「世博園区」と呼ばれる立ち退き住宅街です。
私も、見学にいってきました。
何カ所か市内に立ち退き住宅があるのですが、私が行ったのは浦東新区三林にある三林世博園区です。
立ち退き住宅というのは、私のイメージでは所詮国のつくる住宅地だから、公団のようなアパートが並んでいる、と思っていたのですが、実際はなかなか立派です。
地下鉄こそ今はないですが、バスターミナルやカルフールなどの買い物施設、公園や病院、学校も完備されていて、その整然とした街並みには驚きました。
もともと万博エリアは、古い住宅が多い旧市街地で、貧困層もすくなくありませんでした。それを、この万博を契機に、一気に住環境を改善させてしまったのですから、その意味では意義が大きいと思います。
こうやって、注目されるプロジェクトの場合、外からの体裁もあるので、住民にとってはかなりラッキーだと思います。しかし、うちのようにそう大きくないプロジェクトの開発だったら、過剰な期待はダメだろうなあ、とか思いつつも、国から分配されるアパートを少し楽しみにしているのでした。
でも、実際の収入よりもずっといい生活ができている上海人が多いのも、こうした立ち退きによる収入が少なくないことと関係があるのは事実で、下手に住宅ローンを抱えるよりも、ずっと割があると考えている人が少なくありません。
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