2009年04月06日

大麻の種・火麻仁

 また日本で芸能人が大麻取締法違反(所持)容疑で逮捕されました。大麻に関する問題は、最近ニュースでよく見かけますが、実は大麻の成熟した種は、中国の中医学や日本の漢方では欠かすことのできない生薬でもあるのです。今日はそのお話を少し。

 生薬として使うときは、写真のような状態で煎じるか、そのまま使うときは叩いてつぶすこともあります。生薬類で「仁」とつけば、大抵「種」類となります。

 生薬で下剤系といえば、有名なのが大黄という生薬です。これにはかなり強烈な下剤の働きがあり、体がしっかりとしている人でなければ、場合によっては下痢後の後遺症を心配していまいます。

 ところが、火麻仁の下剤の力は比較的マイルド。攻撃するだけでなく、腸を潤してくれる作用があるといわれています。中医学のバイブル、『傷寒論』に出てくる麻子仁丸という処方は、いまや日本の漢方でもすっかりお馴染みです。

 腸や胃の中の熱が原因で、水分が干されてしまい、便秘となってしまった場合によく使います。そこから、現在では習慣性便秘・高齢者の頑固な便秘・産後のお母さんの便秘などにも使うこともあります。

大麻の種・火麻仁


 生薬の中で、マイルドに下剤効果を発揮してくれるものは意外に少なく、その意味でも火麻仁の役割は大きいと思います。生薬として処方するときは10〜30グラム程度です。中医学では便通を非常に大切にします。

 最近の研究では、緑内障などにも効果があるというデータを読んだことをありますが、その後の研究の成果はちょっと分かりません。

 下剤といえば、アロエなんかも実は中医学では下剤のグループに分類されますね。

 おっと、最後に一言加えておきますが、火麻仁を服用して変なことになるということはありませんが、あくまでも下剤系ですので、そういった意味で医師の指示に従ってください。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類