生薬として使うときは、写真のような状態で煎じるか、そのまま使うときは叩いてつぶすこともあります。生薬類で「仁」とつけば、大抵「種」類となります。
生薬で下剤系といえば、有名なのが大黄という生薬です。これにはかなり強烈な下剤の働きがあり、体がしっかりとしている人でなければ、場合によっては下痢後の後遺症を心配していまいます。
ところが、火麻仁の下剤の力は比較的マイルド。攻撃するだけでなく、腸を潤してくれる作用があるといわれています。中医学のバイブル、『傷寒論』に出てくる麻子仁丸という処方は、いまや日本の漢方でもすっかりお馴染みです。
腸や胃の中の熱が原因で、水分が干されてしまい、便秘となってしまった場合によく使います。そこから、現在では習慣性便秘・高齢者の頑固な便秘・産後のお母さんの便秘などにも使うこともあります。
生薬の中で、マイルドに下剤効果を発揮してくれるものは意外に少なく、その意味でも火麻仁の役割は大きいと思います。生薬として処方するときは10〜30グラム程度です。中医学では便通を非常に大切にします。
最近の研究では、緑内障などにも効果があるというデータを読んだことをありますが、その後の研究の成果はちょっと分かりません。
下剤といえば、アロエなんかも実は中医学では下剤のグループに分類されますね。
おっと、最後に一言加えておきますが、火麻仁を服用して変なことになるということはありませんが、あくまでも下剤系ですので、そういった意味で医師の指示に従ってください。
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