2009年04月18日

青黛(せいたい)

 季節の変わり目だからでしょうか。アトピー性皮膚炎で来られる方が増えています。

 アトピー性皮膚炎を治療するとき、生薬で作った外用薬も併用することが多いのですが、そのときに欠かせない生薬に青黛があります。中医学の世界では、非常にポピュラーで、こっちの中医薬局にも大抵あるのですが、この粉末をクリニックで実際に作るのはすこし厄介なので、普通は薬局から仕入れます。

 中身は一般にアイの仲間など3種類の薬草の色素を生薬として使うので、色は写真のようにすこし変わった色をします。中国では昔から使われている典型的な生薬で、それこそ藍の染め物にも使えるのです。むしろ、今では染め物の染料としてのほうが有名かもしれません。

 主な効能は、熱を冷まし、毒を取るいわゆる清熱解毒という作用。しかも、血に熱が入り込んだり、腫れを取ったりする体を冷やす系の生薬でもあります。

 私は青黛を天然のシッカロールとも呼んでいます。あせもの予防などに、うちの娘にも時々使うことがあります。それこそ、口内炎などにも使えます。もともと服用しても毒がない生薬ですから、口の中に入れても安心です。

濃い緑色をしている青黛の粉です


 この青黛を使って、さらに石膏など他の生薬を混ぜ、その上細かく粉にした青黛散も私は臨床でよく使います。
 これは、処方を書いて、さらにうちの薬局のスタッフにお願いして加工してもらう手間がかかるのですが、旨く使えば急性の湿疹などにも効果を発揮します。外用では、乾癬の治療にも使います。皮膚科には欠かせない生薬です。

 最近の研究では、癌治療時の抗癌剤による副作用時に使ったり、鎮痛剤として使うこともあります。ますますその応用範囲が期待される生薬でもありますね。

 一般的にアトピー性皮膚炎で、皮膚が真っ赤になっている状態では、熱が血に入り込んだ状態であることが多く、体を冷やす生薬で攻めことが多いのですが、実はこれで攻めすぎるのもよくありません。逆に適度に体を温める生薬を入れることで、症状が改善した症例をつい先日経験しました。

 この患者さんの場合、顔に出てくるタイプでしたが、しばらく生薬を服用され、その結果、生理がほぼ正常に戻り、基礎体温のグラフも理想な形に近づいてこられました。それまでは基礎体温がかなり低かったのです。

 そこで、皮膚や血の熱を取る方向に生薬を配合し、一方で腎・脾・肝を温める肉桂などをほんのすこし入れると、冷えが改善し、アトピー性皮膚炎特有の皮膚の赤みも改善しました。今後このまま安定されることを願います。

 女性の場合、生理が改善されると、中医学の場合、余計な熱も血とともに出せるため、症状改善に非常に都合がよくなります。皮膚科と婦人科の問題となり、なかなか総合的に診察しにくいのですが、中医学ではむしろ一緒に考えた方が解決しやすくなります。そして、患者さんご自身の努力も非常に大切です。

 せっかくの週末。
 今日も色々中医学の本を読みあさり、患者さんの顔を思い浮かべながら、もっと何かいいアイデアがないか思いめぐらしました。

 100人いれば100通りの処方が出てくるのが中医学・漢方ですから。

 ただ、生薬外用薬には決定的な欠陥があります。それは、色がつくことです。これだけは天然素材を使うだけに仕方がないといえばそれまでですが、もっと便利な方法がないか研究する必要があります。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

朝から娘と散歩

 週末の娘を連れての朝の散歩は私の任務です。

 娘は朝の授乳のあと、大体3時間ほどまどろんでいるのですが、その時間帯に連れ出します。そうすると、家に戻ってきてもかなりぐっすりと眠ってくれます。

 最近の娘の変化といいますと、寝相がだんだん悪くなってきました。
 布団を蹴飛ばし、ベッドの中で体の向きを変えられるようになりました。そこで、ベビーベッドの格子に足や手を挟まないよう、義母がカーテンを作ってくれました。うちの義母は手先が器用で、布団とか子供の服も自分で作ってしまいます。布団は、布団カバーだけでなく、農家にいって綿から仕入れてくる本物です。

 いま、娘や我々夫婦が使っている布団も自家製です。

 義母曰く、それの方が安心した綿が使えるし、値段も安いので結局はお得だと。そういえば、古い綿を使った布団が以前にもニュースになっていましたね。

 農家出身だけに、なんでも自分でやってしまうのです。
 

見つめられると私がたまらない。。。。


 週末の世紀公園は、ここ数週間ものすごい混雑で、駐車場にマイカーが入りきれません。そこで、私は娘を連れて行くときは思いっきり早い時間に行くことにしています。

 朝は空気もきれいし、鳥のさえずりもいい感じです。世紀公園の真ん中に鳥島という島があるのですが、ここは人間が入ることができないので、野鳥の宝庫と成りつつあります。朝はとくに雑音が少ないので、静かに鳥の声を楽しむことができます。

 ベンチに腰掛けていると、いろいろな人に声をかけられます。娘もそのたびに愛想笑い?!をしていますが、こういった笑いはどこで覚えたのでしょうか。

 ここ1〜2週間の娘の知能面での変化は大きく、毎日帰宅するのが楽しみです。

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布団を蹴飛ばして動き回るようになりました
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

かび生えないスライスチーズ

 私はチーズが好物でして、毎日食べないといけないぐらい食べたくなります。

 欧米に行ったとき、チーズを賞味するのが楽しみで、イギリスにいたときもよく食べました。6月のフランス行きでもぜったチーズを食べてやる!と意気込んでいます。

 そもそも、私は牛乳を飲まないので、チーズが唯一の乳製品の摂取になるのですが、このチーズを仕入れることが一昔前の上海では結構大変で、それこそ欧米系や旧ヤオハンやジャスコなどの日系のスーパーにまで行かないと手に入りませんでした。一時期は、日本から持ち込んだこともあります。
 それが、今の上海では選べるぐらいチーズが売られています。嬉しいかぎりです。

 さて、そのチーズなのですが、最近気付いたことがあります。

 トーストやサンドイッチなどに便利なスライスチーズ。これ、どのメーカーでもまずカビが生えないのです。確かに、添加物の表示をみると、いろいろなものが沢山入っているのは分かっているのですが、今まで食べるのを忘れていてもカビをはやしたことがありません。

スライスチーズと切り売りチーズ


 これに対して、すぐカビが生えてくるのがカルフールなどで売られている切り売りのチーズ。値段は少々高いのですが、真空パックから封をあけて4〜5日ほどするとカビがでてきます。冷蔵庫に入れていてもです。

 確かに、裏面の表示を見ても添加物の記載はほとんどありません。

 裏面の表示が正しいかどうかは私も分かりません。でも、冷蔵庫にチーズをいれてもすぐにカビが生えてくるところからも、それなりに添加物の量が少ないような気もします。

 スライスに切るということが確かに面倒なのですが、それでも切り売りチーズのほうが良さそうな気がします。切り売りチーズは大きすぎる物を買わず、切ったらすぐにラップして冷蔵庫に保存するようにしています。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類