2008年6月に書いた肺が真っ黒けに関して、よりつっこんだ話がありました。中国のメディアが発表しているよくないニュースですので、信憑性はそれなりにあるとも思います。
折しも、上海モーターショーで、上海人の自動車購入熱は高まっていますが、自動車メーカーに儲けさせるほど地球の資源や環境には余裕はないし、人間の健康へのダメージが大きい。でも経済を発展させるのには、そんなことも言ってられないのが現実ですよね。
上海でも3月〜4月にかけてキリやスモッグ(煙霧・Haze・中国語では灰霾)の日が非常に多く、特に朝のもやったような状態の日が少なくありません。中国の南の広州ではその日が増えており、2009年4月11日以来、スモッグの日がほぼ1週間続いるという状態です。
そこで、中国でもPM2.5と呼ばれるサイズの微粒子濃度の測定を行うべきだという声が高まってきています。PMとはparticular matterのことを指し、例えばPM10以下なら呼吸器や鼻から吸い込まれる粒子、PM5以下なら気管支にも行ってしまう粒子、PM1以下なら肺胞にまで行ってしまう粒子の大きさとなります。
このうち、PM2.5クラスなら病原菌も運ぶことができますし、それが原因で体内で炎症も発生し、これより小さければ体の血液にまでも入り込むことも可能です。これが体に様々な悪さをすることになります。最近の研究で、これらが広州エリアでの皮膚ガンや肺ガンの発生率増加と関係があるといわれるようになってきました。
中国の呼吸器内科の権威、鐘南山教授も、広州・珠海・香港・マカオで比較すると、広州での肺ガン発生率が最も高く、90年代の27.5/10万の発生率が、今ではその倍にまで高まっているということも分かりました。もともと肝炎による肝臓ガンがガンのなかで最も多かった中国で、今や肺ガンがトップに躍り出るようになりました。
中国の場合、喫煙によるリスクも高いのですが、これに関しては昨今の禁煙ブームにより、むしろ喫煙者は減少傾向にあるのに、中国の肺ガンは一向に改善されないのです。
最近の広州の研究で、肺ガンの発生率とスモッグの発生に一定の関係があることも分かってきました。さらに、このスモッグの天気が積み重なり、7〜8年後時間がたつと肺ガンも増える傾向にあることも分かりました。今すぐ、というわけではないですが、この10年での上海での車の増えようをみると、上海での大気汚染問題もむしろこれからなのかもしれません。
いずれにしろ都会で発生するキリもスモッグも人体に有害であると言うことには変わりません。我々ができることは、そういった汚染源からなるべく遠ざかり、空気の悪いときには外に出ないようにする程度でしょうか。
「灰霾」という言葉は、スモッグの意味をもつ新語でもあります。
事務所の引っ越し先は、高架道路・メインストリートのそばを外さないと。
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