冬虫夏草は、私の中医学の師匠である陳以平教授が、慢性腎炎の治療に使いますが、それ以外にも、喘息など呼吸器疾患の治療にも使われます。もっとも、最近は値段が上がりすぎて、天然物はまず使えなくなってきており、人工栽培されたものが製品化され、臨床でよく使われます。
なんと言っても、人参などと比べても性質が穏やかで、年中服用できるというメリットが、健康志向の高まっている市民に受けているようです。
チベットのごたごたで、一時期観光客がぐっと減り、冬虫夏草の値段は下がりました。しかし、天気が暖かくなってくると、チベット方面へ旅行にいく人も増え、今では1キロあたり8万〜20万元もする冬虫夏草もあります。半月前と比較すると倍以上の値上がりだそうです。
産地であるチベットエリアでは、干ばつと気温の温暖化で、幼虫から発芽できないケースが多くみられるとかで、産地では3〜5割の減産も。
現在、この天然の冬虫夏草の代わりとなるものとして、北冬虫夏草が注目集めています。中国衛生部が、この北冬虫夏草を健康食品として認めたため、今後、普及することかと思います。
冬虫夏草も北冬虫夏草も、性質はほぼ同類ですが、力からいうと、やはり冬虫夏草のほうが強いのです。
それでもタンパク質や脂肪、アミノ酸などを豊富に含み、ミネラルも豊富なため、免疫力や肝機能の改善、術後の体力回復などにも用いられます。
中国衛生部が発表した北冬虫夏草の服用方法を見てみると、大人の場合で、1日最大2グラムまで、また子供には服用を勧めていません。少ない量ですので、調味料や飲み物、お酒などに入れたりすることもあります。
生薬を使う我々にとって、環境問題の悪化は非常に深刻です。生薬がなくなってしまうと、中医学の伝統継承など到底できません。自然の恵みの恩恵を日々被っているだけに、私も率先して二酸化炭素削減に協力しなければなりません。
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