2009年06月30日

チベットの冬虫夏草、また値上がり

 最近、干ばつなどの天候の不順で、一部生薬の値上がりがここ中国でもみられますが、その中でも、うん万元することもある高価な生薬、冬虫夏草がどんどん値段をあげています。

 冬虫夏草は、私の中医学の師匠である陳以平教授が、慢性腎炎の治療に使いますが、それ以外にも、喘息など呼吸器疾患の治療にも使われます。もっとも、最近は値段が上がりすぎて、天然物はまず使えなくなってきており、人工栽培されたものが製品化され、臨床でよく使われます。

 なんと言っても、人参などと比べても性質が穏やかで、年中服用できるというメリットが、健康志向の高まっている市民に受けているようです。

 チベットのごたごたで、一時期観光客がぐっと減り、冬虫夏草の値段は下がりました。しかし、天気が暖かくなってくると、チベット方面へ旅行にいく人も増え、今では1キロあたり8万〜20万元もする冬虫夏草もあります。半月前と比較すると倍以上の値上がりだそうです。

 産地であるチベットエリアでは、干ばつと気温の温暖化で、幼虫から発芽できないケースが多くみられるとかで、産地では3〜5割の減産も。

 現在、この天然の冬虫夏草の代わりとなるものとして、北冬虫夏草が注目集めています。中国衛生部が、この北冬虫夏草を健康食品として認めたため、今後、普及することかと思います。

 冬虫夏草も北冬虫夏草も、性質はほぼ同類ですが、力からいうと、やはり冬虫夏草のほうが強いのです。
 それでもタンパク質や脂肪、アミノ酸などを豊富に含み、ミネラルも豊富なため、免疫力や肝機能の改善、術後の体力回復などにも用いられます。

 中国衛生部が発表した北冬虫夏草の服用方法を見てみると、大人の場合で、1日最大2グラムまで、また子供には服用を勧めていません。少ない量ですので、調味料や飲み物、お酒などに入れたりすることもあります。

 生薬を使う我々にとって、環境問題の悪化は非常に深刻です。生薬がなくなってしまうと、中医学の伝統継承など到底できません。自然の恵みの恩恵を日々被っているだけに、私も率先して二酸化炭素削減に協力しなければなりません。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2009年06月29日

夏こそ苦いものを食べてみませんか

 中国にいると気軽に体験できる家庭薬膳。そう難しいものではないのですが、例えば、季節によって様々な野菜を楽しんでみたいものです。

 これから上海はますます暑くなります。ここ数日の上海の天気も、もう十分に蒸し暑いですが、まだ序の口です。梅雨が明けると、さらに本格的に気温が上昇します。そうすると、どうしても冷たいものが欲しくなります。私のところに来る患者さんには、「ぬるい生活」を提唱しているのですが、意識しないとついつい氷に手がのびてしまいますよね。

 中医学で消化器の範疇に入る胃や脾は特にこうした冷たい物を非常に嫌がります。その効能が衰えてしまうと、消化不良や体のだるさとして反映されることになります。

 そこで、物理的に冷やすのではなく、食べ物の力で体を冷やしてみてら?ということになります。それが、中国の中医学薬膳では苦い物ということになります。代表選手は苦瓜(ゴーヤ)でしょう。先日も、我が家の食卓に苦瓜と豚肉の炒め物が登場しました。私は結構好きです。そのほか、ヘチマやセロリなどもその部類に入ります。ヘチマも炒め物にすると軟らかくなり、おいしく感じます。

 苦い食べ物は、基本的に熱を冷まし、解毒作用もあったりします。ぐったりしてしまった内臓を目覚めす作用もあり、夏場に適量の苦い食べ物を食べることは、夏ばて防止に非常に有効であると言えます。

 苦瓜は、最近では血糖値を下げる作用があったり、セロリも血圧を下げる作用があったりして、体によさそうに見えます。ただ、苦い食べ物は、刺激が強かったりするので、食べ過ぎには要注意です。特に、こうした性質を持つ「冷やす系」の野菜は、例えば下痢などをしているときは食べない方が無難です。また、苦い野菜は、中華料理特有の油を吸収しやすいので、油を使いすぎないこともポイントです。

 体を冷やすといえば、この時期、生野菜などを食べたくなりますよね。ただ、夏場は害虫も元気に活動していますので、農薬の問題がどうしても気になります。夏場は特に、安全な野菜を食べるように気をつける必要があると中国人の間でも言われています。

 サラダなどは食欲をそそられるものの、さらにそのために食中毒などになってしまったらとんでもありません。土壌の汚染や残留農薬の問題など今年の上海も気をつけるしかないでしょう。

 となると、水耕栽培の野菜でのサラダが比較的安全ということがやっと上海でも言われるようになってきました。今後、ますます普及するのではないかと思います。

 ただ、相変わらず野菜を食べるときの洗浄は注意しなくてはいけません。表面を単に水洗いするだけでなく、10分間以上温水やソーダーなどのアルカリ性の水につけ、そして流水での洗浄というプロセスは欠かせません。

 年々暑くなる上海の夏。なんとかして元気に過ごしたいものです。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2009年06月28日

献本とどく・びっくり仰天

 献本も到着。なんか、いいことが続きます。アマゾンにもありました。(う、写真が出ていない。)
 中医学の学習の基礎となる本ですので、末永く使っていただけたらと思っています。もちろん、内容に問題があれば、いつでもお知らせください。時間とともに磨き上げていきたい作品と思っています。



出来たてほやほやの標準・中医内科学です。


 献本には、5冊入っていました。1冊は鼎瀚(ていかん)クリニックの待合いにも置いておきます。クリニックを訪れられた皆様にもぜひ見ていただければと思っています。

 内容的には古文の翻訳もあり、一般の方にとっては若干難しいかもしれませんが、ただ、読み応えはあります。私は、このテキストで、中国で行われてきた院試や医師国家試験などクリアしてきました。それぐらい、よく使われる教科書です。日本では、国際中医師の試験にも使える教科書だと思っています。中国の出版社との翻訳契約から早5年近い歳月が過ぎ、日本の東洋学術出版社の編集部の皆さんには大変お世話になりました。重ね重ねお礼申し上げます。

 私の中医学の師匠である上海中医薬大学附属竜華医院・上海市名老中医の陳以平終身教授にも週明けにお届けします。先生も首を長くして待っておられました。なんせ、院生時代からやっていた作業ですから。。。。お世話になった中国の先生方には、お礼をかねて本をお届けしようと思っています。



世紀公園の蓮、今見頃ですよ!


 さて、この本の出版を契機に、新しくドメインを取得しました。今までメールではGMAILを使っていたのですが、YAHOOなどからのメールが届かないなど問題も少なくなく、ドメインも取得して日本に有償のサーバーを立ち上げました。

 これまで自分のやってきた仕事を整理する意味でも、このブログのINDEXだけでは書ききれないことに気がつき、せっかくですので新ドメインの下で自分のHPを作ることにしました。自分の空間なので、遠慮なく記事を書けますし。

 サイト名は『細水長流』です。全然急ぐことではないのでぼちぼちコンテンツを増やしていきます。アクセス数も気に「される」こともなく、ここに「我が愛しの上海」第2章計画も進めていきます。おっと、第2章がはじまっても、私が上海に居る限り第1章は続くはずです。

 また、これに伴いいつも皆さんからいただいている左側の連絡メールアドレスも変更しました。YAHOOから届かないという問題も解決できたかと思います。(日本の読者の皆さんで、YAHOOのメールアドレスを使ってらっしゃる方が非常に多いので。。。) 

 今日はこれから外来です。夕方までがんばるぞ〜!

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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類