2009年06月02日

アレルギーと温暖化

 上海市の2009年5月の平均気温も平年より2.4℃も高く、かなり雨が少なかったようです。
 まもなく地獄の夏になるわけですが、私自身、上海で夏を迎えるのが毎年苦痛になっています。ここでは暑さがものすごく人工的に感じるのです。

 今年も上海で最高気温が39℃になることも予想されていますから、今年の夏も大概暑そうです。

 アメリカの研究で、地球全体の温暖化が進むと、花が咲く時期が延び、花粉が飛びやすくなり、空気中のオゾンの量も増える、こんなデータが紹介されていました。さらに、温暖化で昆虫の繁殖エリアも拡大し、たとえばアラスカでは気温が上昇して雪解けが早まり、虫が増えてるというのです。

 その結果、アラスカでは虫に咬まれて病院を訪れる患者の数が6倍以上に増加。花粉症などのアレルギーを抱える人も増えており、温暖化による影響がアレルギー反応という形で人体に及ぼし始めています。

 今後、気候の変化はさらに極端になります。ジメジメしていたところはさらにジメジメし、乾燥しているところはさらに乾燥するようになります。

 私も数年前までは花粉アレルギーはなかったのですが、ここ数年春先日本に帰る度にひどいです。それも年々敏感になってきているのが分かります。

 温暖化を少しでも食い止めることが、鼻炎の解消にもなるわけですが、今のままでは難しいですね。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

生薬の基原

 実は今、すこし凝っていることがあります。それは、日本産生薬と中国産生薬の違いです。

 数年前、ツムラの工場をお邪魔したときに、日本の生薬の8割は中国からの輸入と聞いたことが非常に印象に残っているのですが、そもそも古来から日本でも生薬は栽培されていたわけですし、それが果たして中国と同じなのか?という問題です。

 そうなると、その生薬の基原について調べなければなりません。その結果、実は私が中国で普通に使っている生薬、例えば当帰などは、中国産と日本産とでは基原が違うのです。

 そこで、日本のある製薬会社の開発部の方にメールして、そのあたりの違いをいろいろ教えてもらいました。

 いろいろ説があるようですが、一説には中国から日本に生薬が伝来し、日本漢方(いわゆる和漢)となり、独自の発展をしていくときに、やはり中国と同じ物が日本にあるというわけにはいきません。そこで、昔の人はよく似た植物で代用したりしました。

 考えてみれば、これはある程度可能だと思います。なぜなら、生薬は四気五味といって、精密な測定器具がなくても、それに近い性質の物を選び出せる理論が中医学にあるのです。言ってみれば、中医学独自の分類法です。

 生薬に長年携わっている生薬薬剤師なら、おそらくニオイだ味だけでも、かなりの性質は見いだせると思います。そうやった経験則から、日本に生息している同じような植物で代用することを昔の漢方医は実際やっていました。

 このことは、私は事実だと思っています。今みたいに生薬を空輸するわけにも行かないわけですから、患者さんのためにも医師がなんとか服用に便利な生薬を探し出してくることは必然でしょう。

 ただ、そういう過程を経ているうちに、中国と日本で生薬名が同じなのに、なぜか基原が違うというようなことになってしまいました。

 平城京遷都1300年を迎える私の地元奈良ですが、さすがに昔都があっただけに、生薬産業は盛んでした。今でもその名残はあるようですが、残念ながらかなり衰退してしまいました。

 その中で、大和当帰と呼ばれる、奈良県産のなかなか品質のよい当帰が栽培されていました。当帰といえば、私も1日に何回も処方する生薬です。アトピー性皮膚炎の保湿外用薬に私は使うことがあります。それが、私の地元の名産物なんて、お恥ずかしながら知りませんでした。

 中国でも生薬の産地を非常の重視します。そのため、生薬名の頭に地名をかぶせることがあるのです。例えば、茯苓という生薬は、雲南省が産地で良質の物がとれるので、雲茯苓と書く先生もいらっしゃいます。

 今回知った大和当帰。一応、中国からの当帰、いわゆる唐当帰とは基原が違うのですが、果たして効能面でどんな違いがあるのか?このあたりは、古文書をめくりながら、探っていきたいと思っています。どうやら、まだ奈良でも栽培されているところがあるようで、今度帰国したときに探求してみます。 


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