「身についたモノだけが財産だ」という一節です。
今日、帰宅時に社員の一人が事務所に残って日本語を一生懸命勉強していました。話によると、日本語の学校に通っているのですが、はじめは満員になった教室も、いまでは数えるほどしかなく、それでも彼は一生懸命がんばると言っていました。
ここで身につけた日本語は、仮にまだまだレベル的に不十分でも、彼にとってはすばらしい財産となってくれるはずです。お金にしろ、財産にしろ、そんなものはお墓にまで持って行くことはできないけど、自分の体に染みついた知識・技術は永遠に自分のものです。
世の中が不景気で、仕事もなかなか見つけにくい時代かもしれないけど、自分の社会的地位や名誉にウロウロする暇があったら、すこしでも勉強して着実に力をつけていったほうが私はずっと有意義に過ごせると思うし、それこそ自分にとってもっとも確実な生き方であると思います。そして達成感もあります。
実は、私が上海で尊敬する中医師の一人であった張鏡人先生が亡くなられました。87歳でした。先生が長年臨床で培って来られた知識も、当然100%継承されることなくまた露と消えてしまいました。でも、先生にとってはものすごい知識の財産です。
自分の人生にとっての最大のリスク管理、それは社会に役立つための知識と技術を絶えず蓄えることだと私は思っています。そうなると世間や会社がどうであれ、他人がどうであれ、もうどうでもいいのです。
私も60歳を越えたぐらいには、今よりももっと多くの患者さんの声を聞ける中医師に成長したいと思うのです。そのためにはやっぱり日々勉強です。休む暇はありません。
私の師匠も70を超えてますます元気です。そういえば私の論文が先生の本に掲載されることになり、すこし嬉しかったです。今度、私の著書をもって元気な顔を見せに行きます。
いろいろ思うことのあった1日でした。
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