2009年06月25日

上海の高齢者認知症の問題

 私の妻の祖母は85歳ぐらいなのですが、まだまだ元気に1人で暮らしています。
 ぴんぴんとマイペースの生活をしているのには、驚かされます。こうした高齢者は、上海では非常に多いです。

 2008年末には、上海市の60歳以上の人の数は300万人を突破し、そのうち53万人は80歳以上です。この数字は、かなり信用できると思います。
 妻は、地域医療で高齢者の訪問診療をしているのですが、それぞれ管轄の病院で、80歳以上の高齢者は登録しなければならないことになっているのです。そして、訪問診療を受けるだけなく、定期的に電話もかけてあげて、日頃の生活の細かなアドバイスなどもしてあげることになっています。

 上海市の調査では、上海で少なく見積もっても18万人の認知症の高齢者がいるといわれています。これは、1.5万人を対象にしたスタディーで明らかになったのですが、この中で学歴と認知症とは関係があるとし、学歴が高い方が認知症にかかりにくいというような結果も報告されています。

 さて、認知症のお年寄りに対して、家族はどのように対応しているのか、興味深いデータもありました。まず、高齢者を施設に預けたいと考えている家族は全体の2.2%に過ぎず、97.8%は自宅で世話したいと答えています。
 その理由として、施設に断られたからというのは2%にも満たない一方で、本人の意志で施設に入りたくないから、というのも51.3%いました。

 一方で、こうした認知症のお年寄りを世話する人の8割以上が50歳以上で、特にこの家族の精神的負担が非常に大きいことも問題視されています。高齢化が中国でも最も早い地域の一つである上海だけに、今後の対策が急がれます。

 そこで、上海政府は4つのレベルで認知症のお年寄りの介護をすることを考えています。それが、1.家庭による介護 2.社区老人中心(デイケアサービスをする施設)3.老人ホーム 4.医療機関の4レベルです。特に、上海市の住宅地では、2.の整備が進んできているように思います。

 高齢化の問題は中国でも年々複雑化していますが、日本でも同様の問題があるだけに、お互いの情報交換がもっとできたらいいのにとも思います。

 一般庶民が基本的な医療サービスを受けるために、妻がいるような公立な地域医療を担当する医療機関が、上海市内では比較的充実しており、安く安定的に医療サービスが受けることができるというのは、ある意味日本の都市部よりも進んでいるかもしれません。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

富裕者層の子供

 上海では本当に金持ちが増えました。車も一昔前のサンタナ一色から、今ではBMWやアウディーなどドイツ高級車一色になってしまったようにも思います。先日行ったフランスでは、それこそハッチバック式の小型車が多かったので、走っている車からいうと、上海の自動車の大型化はとても顕著だと思いました。

 こうした中国の富裕層を支えているのは300万を超えると言われる中小企業の社長さん。苦労して会社を立ち上げ、大金を掴めるようになり、成金ぶりを謳歌している様子は、不景気とはいえ、上海の街でも十分に観察できます。そのほか、地方から上海に出てきて、商売に成功したというパターンも非常に多い。

 偽物の家賃領収書を我が事務所に発行し続けた以前の大家も、見るからに成金。用心棒の運転手をつけて乗り込んできたし、やれ海外旅行だのなんだの自慢げに話します。その後、我々との関係が悪化すると、ヤクザを向けるぞ!とかいって脅してきます。まあ、中国というのはそういう国なのです。強いものが勝ちといった風潮がまだまだ色濃くあると思います。
 

 さて、こうした富裕層に生まれた子供。私は正直かわいそうだと思います。ある調査では、中国の中小企業の95%は優秀な後継者を育てられていないそうです。商売に成功して3代豊かになるどころか、2代目まで会社が続けられるかも危ない。

 これは、中国の今の富裕層にいえることだとおもうのですが、自分自信が時代的にも非常に苦労していたため、その子供たちには絶対苦労させたくない、と考えるケースが多いです。
 そのため、苦労を知らない子供は豊かな生活から浪費を覚え、最終的には家庭が崩壊するというようなケースが最近の上海で増えています。

 2009年上半期に摘発された麻薬中毒者の半分は35歳以下であったり、若年層の犯罪が増えていたり、改造暴走車や暴走族を上海でよく見かけるようになったことからも、今の上海の若者が、私が10年前にイメージしていた上海の若者と大きく変わってきていることは事実です。

 こうした中小企業の富裕層は、子供を海外に出すことに積極的です。苦労して海外でバイトさせなくても、留学費用はなんてことないという感覚なので、そのために海外にマンションを買ったりすることは今では珍しくありません。

 たとえば、アメリカ留学の場合、通常なら年間10万元程度で十分生活できるのに、一部では年間100万元〜200万元を持たせて留学させるケースも実際にあるということです。地元アメリカの住民ですら違和感を感じるぐらいの豪遊ぶり。

 中小企業の第3代がなかなか育たないという問題の背景には遺産相続などの税制度が未熟であったり、競争原理がうまく働かず特権階級ばかりがトクしているというような不公平な現実が大きく影響しているようにも思います。
 こうした人が増えてくることは、普通に生活している一般庶民にも悪影響を与えるし、強いては社会情勢を不安定にする要因にもなることでしょう。

 子供にとっても健全な街。それがきっと本当に住みやすいと思うのですが、今の上海にはそれが大きく欠けていると私は思います。
 

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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類