2009年08月26日

乳児の発熱

 ドイツの公的機関IQWiG(Institute for Quality and Efficiency in Health Care)では、医薬品や治療の効果などを研究していますが、今年8月に、乳児が発熱した場合について、親の心構え紹介していました。

 IQWiGによると、乳幼児の発熱のうち、重病の前兆とも見られる発熱は全体の1%ほどしかなく、大部分は問題がないことが多いとしています。これは日本でもよく言われていることです。

 そこで、むしろ父母に対しては、発熱の程度を見分ける事を教えています。

 IQWiGでは、もし3ヶ月以内の赤ちゃんが38℃以上の熱を出した場合や3ヶ月〜6ヶ月の赤ちゃんが39℃を越えたら要注意で病院に連れて行くべきだとしています。 

 また、発熱の赤ちゃんが外の刺激に対して反応を示さなかったり、昏睡状態で有る場合、顔色が蒼白状態である場合、叫ぶように泣いたり、虚脱状態である場合は、すぐに病院に行くようにと呼びかけています。

 うちの娘も40℃近い発熱を2回したほとがあります。意識もしっかりとしていて、熱を思わせない活動ぶりです。当の本人はピンピン遊び回っていました。

 子供はある意味大人と比べると本当に熱に強いと思います。そんなとき、大切なのは我々親の子供を観察する目だとよく言われます。時には、小児科の専門家よりも、親の目の方が自分の子供を的確に判断していることが多いからです。診察しているときでも、お母さんの一言というのは非常に大切です。
 
 今朝も、書斎へハイハイしにやってくる娘を観察して思いました。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2009年08月25日

四物湯と美容

 「湯」と書いても、お風呂の事でもなければ、スープの事でもありません。
 煎じ薬の事を、中国語で「湯(タン)」といいます。

 四物湯・・・・・・・。

 香港・台湾などの芸能人たちに限らず、一般の若い女性の間でも特に美容方面に人気のあるのが、この四物湯という生薬の処方で、非常にポピュラーになりました。

 もともとは、『太平恵民和剤局方』という書物に書かれている処方で、補血・調血が効能です。中に入っているのは、当帰・川芎・白芍・熟地の4つの生薬です。場合によっては、この生薬に少量のお酒(紹興酒など)を入れてから煎じることもあります。原書には、空腹時に服用するとあります。

 婦人科の様々な症状に使われるところからも、如何にこの処方が女性たちの支持を集めてきたか、1000年以上の歴史が物語っています。私も、生理痛などの治療にはその処方の骨組みの中に欠かすことができません。

 女性は月経の周期からも、「血」との関係は欠かせません。そういった意味でも、当帰は血の巡りをよくして、血を補う作用がありますし、川芎も血に入り込み、血の中の気の流れを促進し、白芍もその酸っぱさから分かるように、陰を育んで血を養います。ちょっと甘みのある熟地は、もちろん、血を補います。

 昔の人がすごいな、と思うのは、たった4つの生薬しかつかっていないのに、血を補うけど、ドロドロになることなく血の動きを重視していますし、血が動くけれど動きすることはないという絶妙なるバランスを持っています。

 欧米人も、地方によっては生理の時に赤ワインを飲むところもあるそうです。これもまさに、「血」の発想だと私は思います。

 女性の「血」の状態を整えるという性質からも、四物湯が美容などにいいと理解されるのも十分に納得できます。何よりも、1000年以上前から使われていたワケですから、副作用の問題に対しても比較的安全だということになります。

 女性に限らず、もちろん男性にも使えます。私は皮膚が乾燥してカサカサになっているアトピー性皮膚炎の治療のときにも他の生薬と併用しながら使ったことがあります。

 いずれにしろ、婦人科の疾患や美容には欠かすことのできない四物湯なのでした。

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名処方、四つの生薬を使って四物湯
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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

杜仲の皮と葉

 同じ生薬なのに、日本と中国では使われる部位が全く違うもの。それが杜仲です。

 あの杜仲茶でおなじみの杜仲ですが、日本では木の葉っぱ、中国では木の皮を使います。貴州省のおみやげでも写真が載っていますが、まさしく木の皮です。

 木の皮の杜仲は、引きちぎると白い筋が伸びてくる非常に興味深い生薬です。肝・腎に作用し、腰痛や腰のだるさでもよく処方します。性質は温める系で、不妊治療や流産の予防などにも使うことがありまし、インポテツの治療にも使われます。

 ところが、中医学の薬局では、杜仲の葉っぱをなぜか生薬として使いません。でも、葉っぱにも立派な効能があります。杜仲の葉っぱは人の細胞を活性化し、老化防止作用もあると言われているほか、中性脂肪を減らす作用もあります。さらに、最近では宇宙飛行士の骨格や筋肉の退化を防ぐ働きも注目されています。まさに、中医学でいう強筋骨の効能ですね。

 その杜仲の葉っぱですが、日本はせっせと中国から輸入しています。健康食品などにも使われていますし、お茶としてもすっかりおなじみになまりました。でも、中国ではせっせと木の皮を使っている。興味深い話です。

 しかし、中国では葉っぱの効能について残念ながらあまり重視されてこなかったため、杜仲=木の皮というイメージができてしまっています。

 最近になって、中国も葉っぱの効能に注目するようになってきました。産業化に関して言えば、残念ながら日本などと比較しても遅れをとってしまったことになります。きっと、伝統的な発想が、障害となってしまったのかもしれません。

 なぜ、中国では葉を使わなかったのか?興味深いですね。

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体が冷えている方、暖かい杜仲茶でもどうぞ!
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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類