2009年08月23日

水がきれいになる日

 うちは「アクア」さんの浄水器を使わせてもらっていますが、毎月1回フィルターを交換していただいています。

 今日はまさにその日で、クリニックでの診察を終えて、娘と一緒にお風呂に浸かるのをすごく楽しみに自宅へ戻りました。

 フィルターを交換したその日は、水が最も澄んでいる日で、透明すぎてブルーに感じるぐらいです。今日はその一番風呂に入りました。
 しかし、この澄んだ水も1月もすればだんだんとうっすらですが色が出てきてしまいます。それが上海の水道水の悲しいところ。それでも、上海の水道水を直接使うよりはずっとましだと思います。

 大都会大阪や東京の水でも、お風呂の水が透き通っているのは当然のことですが、上海では非常に非常に貴重なことなのです。それが人工的な方法でも実現できるのですから、やはり感謝しなくてはいけません。

 浄水するとどういう変化になるのか?ということを知らなかった義母も、今では我が家で水を飲むのを楽しみにしているぐらいです。

 上海人のとっては、飲み水とは水道水を沸かすという生活が基本でしたから、それほど「浄水する」ということの意味が大きいわけです。いまではとても沸かした水を飲めないです。



 

 高度に都市化されて来つつある上海。平均余命も年々長くなってきています。しかし、深刻化する大気汚染に水質汚濁、交通ラッシュに複雑な人間関係。お金があっても、手に入れることのできない健康の問題。

 今まで高齢者にしか見られなかった疾患が、どんどん低年齢化しているのも、こうした上海の変化によるものであることには間違いありません。

 しかし、いい空気といい水を手に入れるには、お金を投入しないといけないという現実は、すこし寂しいですね。

 「名水」を探しに行くようなハイレベルな問題ではありません。いま、このとき生きるためのきれいな水が、上海ではなかなか手に入らないのです。

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少しでも上海の環境が改善できるよう、我々一人一人が努力しないと。
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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

子供にタミフルやリレンザを使うべきか?

 日本で新型インフルエンザが流行の状態になっていますが、この新型インフルエンザにタミフルを使うか、否かについて、世界各国で討論されています。
 日本でも、一時期、タミフル服用後に奇行などが発生していることが問題になりましたが、イギリス・オックスフオード大学でも興味深いスタディが発表されています。

 8月10日の『the British Medical Journal 』に発表されたのですが、ここでは一般の季節性インフルエンザの感染した2629名の12歳未満の子供に対して、タミフルやリレンザを使った結果について報告されています。

 これら薬を服用した患者は、明らかにインフルエンザの症状を緩和させることができることが分かりました。しかし、服用によって症状が短縮できたのは1.5日間程度というのが最も良かった場合だったようです。

 しかし、喘息や耳に感染症を持っていた場合、当然、タミフルやリレンザでは効果はなく、結局抗生物質の投与が欠かせないとしています。さらに、今回のスタディで問題となったのが、タミフルやリレンザ服用によって発生することが多い副作用の一つである嘔吐で、子供は特に、嘔吐による脱水症状のリスクが高まると注意を促しています。

 こうした研究結果に対して、オックスフオード大学の専門家は、新型インフルエンザに対して、単刀直入にタミフルらリレンザを使うという治療方針は慎むべきだと英国政府に訴えています。

 流行期に入ったとはいえ、大部分の新型インフルエンザの患者の症状は軽く済んでおり、タミフルやリレンザのような抗ウイルス剤の濫用は、新型インフルエンザウイルスの薬に対する抵抗力を高めるとして、慎むように主張しています。

 もちろん、タミフルやリレンザを使うべき時には使わないといけません。これはお医者さんとしっかりと相談してください。しかし、問題の根本は皆が皆同じ薬で治療を進めることにあると思うのです。

 新型インフルエンザに対して、将来を見据えた治療法ができるか?というのは大きな問題ですが、まだ突破口が見いだせていないように思います。
 中医学だけでなく日本漢方もいまこそその実力を発揮して欲しい!と期待しています。欧米にはない治療法なのですから。

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新型インフルエンザ、決して怖くないぞ!
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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2009年08月22日

農村の活性化と中医学

 2009年4月に中国国務院が『中医薬事業発展の扶助促進に関する意見』という文書を出しています。私も手元にこの文書があるのですが、中国政府中央が、中医学の発展に本腰を入れようとする決意が示されていて、非常に興味深いです。

 その中で、中国では貧困農村エリアで生薬栽培を行うことで、農民の収入を引き上げ、地域を活性化させるということに力を入れ始めています。生薬は中医学や漢方にとって欠かせないもので、安定供給ができなければ伝統医学は生き残れません。

 一方で、生薬の多くは中国内陸エリアで栽培されており、昨今の海外も含めた生薬需要の逼迫から、その生産の重要性が叫ばれています。同時に、内陸エリアの経済発展にも貢献しだしています。

 たとえば、クコの実で有名な寧夏エリアは、クコ以外にもさまざまな生薬を栽培しています。その種類は1100にも及びます。このうち、中国の薬局などで最もよく使われる常用生薬363種類のうち、約半分の157種類は寧夏エリア産で産出します。

 広西エリアにしてもそうです。地方政府が農村の貧困対策として、会社を設立し、地域でとれる生薬を買い取り、農民たちの生薬栽培への積極性を高めているところもあります。

 同じようなことが日本でもできるのではないか?と私は考えています。もともと過去に漢方薬が盛んだった日本では、実は各地で特産となる生薬が栽培されていました。それが、今では空前の灯火になってしまっていますが、でもそうした品種の生薬栽培を再開し、広く一般市民にも知ってもらえれば、漢方薬煎じ薬の普及・需要の喚起・低価格化に貢献できると思うのです。

 何よりも、地域を活性化することができます。同時に健康の問題に感心を持ってもらい、予防医学的な角度からも非常に意義あることだと思います。

 

 これだけ新型インフルエンザが騒がれているのに、日本の漢方の世界では、予防にたいして何もニュースが出てこないというのは非常に残念です。日本の先人たちの経験の蓄積が継承されずに消えてしまうのはもったいない限りです。

 マスクと手洗いうがいだけではありません。生活も含めたトータルな対策を日本人の生活にあった方法で、伝統医学も導入しつつ、厚生労働省が引っ張っていければ、それこそ世界に「Kanpo」を知らしめることができるのですが。。。。

 まあ、そういうことは無理ですよね。

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こんな時期こそ伝統医学もなにか貢献できるのです
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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類